新NISAを活用してキャッシュフローを確保

なるべく新NISAを活用したほうがいいことは言うまでもありません。配当金や分配金が非課税で受け取れるからです。なお、前述のキャッシュフロー資産のうち、新NISAで運用できるキャッシュフロー資産を抜き出すと、以下になります(図表4)。

【図表4】新NISAで運用できるキャッシュフロー資産
出典=『60歳からの新・投資術』(青春出版社)より

複数の資産を保有しているならば、リスクの高い資産から切り替えます。たとえば、投資信託と株(高配当株を除く)を保有しているなら、株から切り替えていきます。

新NISAの成長投資枠では、年間240万円までしか投資できませんので、キャッシュフローを生む資産を300万円とするならば2年、500万円とするならば3年かけて切り替えていくことになります。

頼藤太希『60歳からの新・投資術』(青春出版社)
頼藤太希『60歳からの新・投資術』(青春出版社)

なお、「300万円」「500万円」と金額きっかりで切り替えるなら、投資信託を利用するのが手軽です。株やREITは銘柄により購入単価がまちまちですが、投資信託であれば、自分で決めた金額で投資できます。

「運用しながら取り崩す資産」の具体的な取り崩し方法は、過去記事「『死ぬときに貯金ゼロ』を目指す…お金のプロが教える一生困らない“絶妙な老後資金の取り崩し方”」で紹介しています。

また、高配当株やREITの選び方も他の記事で解説していますので、ご笑覧ください。「60歳以降の投資戦略」のご参考になれば幸いです。

頼藤 太希(よりふじ・たいき)
マネーコンサルタント

Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』(宝島社)など書籍100冊、著書累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(@yorifujitaiki)