公的年金は重要だが、プラスアルファも必要
このように、公的年金の上乗せ部分で、受け取れる年金は大きく変わります。
公的年金は、どれだけ長生きしても亡くなるまで受け取れる、いわば「長生きすることへの保険」。退職後の生活を支える土台のような存在です。
その一方で、公的年金だけで生活費を賄うことは難しいケースも少なくありません。冒頭でも述べましたが、現役時代に高収入だった人ほど、退職後の赤字額が大きくなることがあります。
年収の多い、少ないにかかわらず、あらかじめ受け取れる年金額を調べておき、予想される不足分を自分で準備しておきたいところです。
老後の資金を準備する際は、普通預金に貯金していく方法ももちろん有効ですが、「iDeCo」といった公的な制度を用いれば、より効率良く退職後の資金を貯めることができます。この機会に退職後の生活費について考え、年金の上乗せを検討してみてはいかがでしょうか。
構成=ファイナンシャルライター 瀧健
関西大学卒業。社会保険労務士。国民年金基金連合会理事。『大図解 届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください 増補改訂版』(日経BP)、『残念な介護 楽になる介護』(日経プレミアシリーズ)、『私がお金で困らないためには今から何をすればいいですか?』(日本実業出版社)など著書多数。