多様性に富んだ人材を確保し、組織の同質化を防げ

強い恐竜よりも変化に対応できた種が生き延びたように、組織全体の柔軟性や多様性が重要となり、図表1の「②サーバントリーダーシップ」「③インクルーシブリーダーシップ」タイプのリーダー像が求められています。

鉄のような硬さよりも、竹のようなしなやかさが大切とも言えるかもしれません。

これからのビジネスは、それが商品開発でも、セールスプロモーションでも、カスタマーサービスでも、幅広い視点・考察・知識が交錯することで、社会ニーズにマッチしたものになっていきます。

これからの時代、答えはAIが教えてくれるようになっていくでしょう。答えよりも気がつかない課題を見つけ出すことが、ビジネスにおいて重要になってきます。

それには、組織内に多様性のある価値観があることが不可欠です。

特性もバックグラウンドも異なるダイバーシティに富んだ人材が、多様な働き方をすることで組織の同質化を防ぐことが、これからの時代の組織に重要となるでしょう。

メンバーの労務管理と健康管理を軽んじてはいけない

マネージャーの仕事は、多岐にわたります。

部署内の業績を上げるために、ゴールを設定し、メンバーを動機づけし、フィードバックと評価をし、長期的な視点で育成をするなど、数えきれない担務があります。

その中でとくに軽んじてはいけないのが、メンバーの労務管理と健康管理です。

頭をおさえるビジネスウーマン
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「丸投げ」という言葉は、オーバーワークをさせてでも無責任に仕事を投げればいい、という意図ではありません。

「メンバーの成長を促し、満足感と達成感を与えて幸せにする」という意図で「任せる」ことを推奨していますが、フィジカルとメンタル両方の健康確認や、キャパシティの配慮など、任せる上での大前提をおこなわないと、それも叶いません。

健康問題は、わかりやすいSOSサインが出るとも限りません。

「本人が大丈夫と言っている」「元気そうに見える」ということで、油断するのは禁物です。

「明るい性格だから大丈夫だろう」「体育会系で体力あるから問題ないでしょう」といった思い込みもまた危険です。

健康管理においては、気をつけ過ぎることはないので、常に念頭に置いてマネジメントしていきましょう。