「自分ができていたから大丈夫だろう」という判断は危険
意図的にメンバーをつぶそうとする人はいないですが、それでも健康問題が起きてしまう理由の一つが、「自分ができていたから大丈夫だろう」という油断です。
プレーヤーとして優秀だったマネージャーほど陥ってしまう思考です。
組織には、さまざまな人がいます。
キャパシティがある人/ない人、仕事のスピードが早い人/遅い人、同じ仕事でもプレッシャーを感じる人/感じない人など、それぞれです。
また、仕事の特性によって有利となる経験値、年齢、性別、能力というものがあります。
問題なく仕事を遂行できるかの基準は、マネージャー自身でもなければ、平均的なメンバーでもなく、もっともそのタスクが苦手な人に合わせるべきです。
依頼時に稼働状況、余力、意欲の確認が必要です。
「担当プロジェクトが重なっていますが、このスケジュールでできますか?」
「サポートが必要であれば、チーム編成を手伝います」
このように、なるべく無理をさせない工夫と、負担軽減の配慮を忘れないようしましよう。
任せるときに、良かれと思って期待をかけすぎてしまうことがあります。
「ピグマリオンの法則」で謳われているように、期待されていると良い成果を出すのも事実ですが、過剰な期待はプレッシャーになってしまいます。
プレッシャーが大きすぎると感じたら、「失敗しても大丈夫」「つらくなったらフォローしますよ」といった言葉で和らげましょう。
受けてもらったらそこで終わりではなく、このような依頼後のケアも必要です。
引きこもりを経験し、高校を中退後アメリカに留学。大学でマーケティングとエンターテインメントを学び卒業。帰国後、国内最大手のマーケティング会社に入社。現在はジェネラルマネージャー。部長を束ねる統括ディレクターも兼ね、年間100近いプロジェクトをメンバーに依頼している。著書『任せるコツ 自分も相手もラクになる正しい“丸投げ”』(すばる舎)はベストセラーに