ワークを解く際に「してはいけないこと」

ここで、ワークを解く際に「してはいけないこと」を紹介することにしましょう。

① 教科書を見たり、調べたりしながら解いて、すべて○にする

学校のワークに×をつけることを嫌がる子が一定数います。

「学校の先生に、勉強ができないと思われたくない」
「ワークにたくさんの×がついていたら、評価を下げられるかもしれない」

と思っているのかもしれませんね。

しかし、これではワークを解く意味が半減してしまいます。

安心してください。

×がたくさんあっても、学校の先生は評価を下げることはしません。

むしろ、不自然な形ですべて○となっているワークのほうが、評価を下げられてしまうことすらあるのです。

そもそも×がつくのは、決して悪いことではありません。

できない問題を発見し、そこを繰り返し解くようにしましょう。

そして、チェックは目立つように、問題番号の横に大きく書きましょう。

「できない」を「できる」ようにすることこそが本当の意味での勉強なのです。

② 何ページもまとめて○つけをする

10ページ以上、まったく○つけをすることなく解き続ける子がいます。

でも、その間に同じ間違いをしていたら、10ページ分の問題を解く時間がムダになりますよね。

効率よく勉強し、かつミスを減らすためにも、2ページ~4ページ解いたら、○つけをしましょう。その際は、保護者の方に頼んでみるのもいいでしょう。

バツ印が描いてある吹き出しを持つ女の子
写真=iStock.com/Evheniia Vasylenko
※写真はイメージです

解説を読むものと読まないもの

③ ○つけだけをして、答えを書かない

答えを書かなければ、当然、覚えることはできません。

解答欄か、その近くに正しい答えを書くようにしましょう。

また、一度書いただけで語句を覚えるのは困難です。

ノートに何度も語句を書くか、書いた答えを緑ペンで塗って、赤シートで隠してアウトプットができるようにするのも1つの方法です。

④ 答えだけ書いて、解説を読まない

理科や社会の語句を覚える問題であれば、解説を読む必要はありませんが、数学や理科の計算問題など、理解が必要な部分で間違った場合には、解説をじっくり読むようにしましょう。

⑤ 解くことに時間をかけすぎて、反復する時間が足りなくなる

テストまでに1回しかワークを解き終わらない子がいます。

その場合、いくつか要因が考えられますが、その1つが、時間をかけすぎているケースです。

齋藤明『中学生「偏差値70超」の子の勉強法 カリスマ塾長が明かす“劇的に成績を伸ばす”ルール』(大和出版)
齋藤明『中学生「偏差値70超」の子の勉強法 カリスマ塾長が明かす“劇的に成績を伸ばす”ルール』(大和出版)

たとえば数学なら、1問に5分考えて答えが出なければ、次に進みましょう(5分と書きましたが、問題によっては3分でもかまいません)。

ただし、文章問題を読まずに、解けそうもないからと最初から答えを見たり、解説を読んだりするのはやめましょう。

ワークの1回目は、解ける問題と解けない問題の仕分け作業だと考えてください。

以上、ワークを解く際に「やってはいけないこと」を見てきました。

頭ではわかっていても、ついついやってしまいがちなことなので、ここでお話ししたことをしっかり覚えておきましょう。

齋藤 明(さいとう・あきら)
難関校合格専門!爆裂松江塾塾長