ストーカー化しやすい男性に見られがちな10の傾向

それでも、ストーカー化しやすい男性には傾向はあり、まとめてみたので参考になれば幸いである。

恋愛経験がない。もしくは少ない(フったりフラれたりする経験が乏しいため、傷ついたというインパクトが強く攻撃性が増す。「この人を逃したら後はない」と考えがち)

自己愛が強い(自分のことが大好きで、自分は素晴らしいので、そんな自分を選ばないという選択肢はないと相手に押し付ける)

友人が少なく、狭いコミュニティで生きている(自分の周りにいる少ない人に執着しがちになり、狭い世界で生きているので自分を正当化しやすい傾向がある)

全ては他責思考(物事が上手く行かないのは自分のせいではなく、社会や会社や彼女だけが悪いという考えに行きつく)

LINEや電話の連絡頻度が異様に多い(コントロール欲が強く、常に相手の状態を把握したいため)

「察する」ことができない(相手の心が冷めていることに態度で示されても気づかない。より執着心を持って接触頻度を上げようとしてくる)

ネガティブ志向(自己愛は強いが根本的に自信がないため、深層心理では彼女がいつか離れていくのではないかと常に思っている。不安症)

高額のプレゼントをしたり自己犠牲的な態度を取る(自分が愛情を与えた分、愛情を返されると信じて疑わないため)

突然キレる(彼自身のルール「彼女とはこうあるべき」というルールがいっぱいあるため、それにそぐわない行動に突然怒り出す)

思い込みが激しい(多様な価値観を受け入れてきていないため、「人類は敵と味方だけ」で、多様な価値観を許容できず、自分の価値観に固執する)

「ストーカーになりやすい男性」は増えつつあるのでは

ほとんどの人にとって、殺人者になることも自殺することも「人間が一番越えられない一線」だと思っている。どんなに怒りを感じても、実行したら人生が破滅するがゆえに選択できないことが殺人であり自殺だと、われわれは無意識レベルで認識している。

だからそのハードルを「痴情のもつれ」「恋人との別れ」程度で飛び越えてしまうのは、自分の近くにいる「普通の人間」ではなく、どこか別のところに居るモンスターだと思いがちなのだ。ストーカー殺人事件の被害者たちも、最初はそう思っていたに違いない。かつての私がそうであったように。

そして、大変残念なことに、「ストーカーになりやすい男性の特徴」の保持者は近年増えつつある。恋愛離れ、狭いコミュニティー、閉塞感のある社会で活躍の場が少ない現代において、自己愛ばかりが肥大して人間関係を学ばない人を量産してしまっているように思えてならない。おまけに、SNSやマッチングアプリの台頭でバックグラウンドや本人の性質が分からない相手と簡単に出会えてしまう世の中でもある。

女性たち(一部男性たち)に置かれましては、どうか「ストーカー殺人事件」を対岸の火事と思わず、刑事並みの嗅覚きゅうかくを鍛え、できる限りの自衛に励んでほしいと筆者は願っている。

川崎 貴子(かわさき・たかこ)
リントス代表取締役

1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社・ジョヤンテを設立。2016年より、働く女性の結婚サイト「キャリ婚」を立ち上げる。婚活結社「魔女のサバト」主宰。著書に『我がおっぱいに未練なし』『私たちが仕事をやめてはいけない57の理由』など。■川崎貴子のカウンセリングルーム