65歳までの12年間、年収550万円稼ぎ続ける必要がある

65歳まで働くとすると、あと12年で手取り5270万円。

1年あたり、約440万円の手取りが必要です。

手取り約440万円を稼ぐためには、給与年収550万円程度が必要です。

会社に残っていたら稼げていた金額ですが、無職の今聞くと大きな金額に感じられます。

ちなみに、早期退職をして年収が下がると、将来もらえる年金額も減ってしまいます。

生活費
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事前に、これだけの収入が必要だとわかっていたら……。

どんな仕事につけばいいのか、起業してこれだけの金額が本当に稼げるのか、などなど慎重に検討したはずです。

「早期退職」は、こうしたリスクを把握して決めるべきなのです。

是非、みなさんもご自分の場合にあてはめて、考えていただきたいと思います。

この試算は、早期退職に限らず、60歳で退職後どうすべきか迷っている方にも使えます。

もし、稼ぐ必要のある金額(④-①)がゼロ以下なら、早期退職をしても生活に困ることはなさそうだということ。そうでなければ、今後どのくらいの稼ぎでいつまで働けばいいのか、資産運用も含め、不足分をどう作るのかを考えていただければと思います。

板倉 京(いたくら・みやこ)
税理士、マネージャーナリスト

保険会社・財産コンサルティング会社、税理士法人等で税理士業務に携わる。開業独立している女性税理士の組織、ウーマン・タックス代表。テレビ出演や全国での講演、書籍の執筆などの活動も多数。著書に『夫に読ませたくない相続の教科書』(文春新書)、『定年前後のお金の正解』(ダイヤモンド社)など。