5年前と今回の違い
12時間滞在では時間を持て余すんじゃないだろうか、と思っていたけど、「プライオリティパス」によって時間ごとにやることが決まるので、次から次へと目の前に楽しいアトラクションやミッキーたちのショー、美しい景色や子どもたちのきらめく笑顔、時には息子のぐずりが繰り広げられ、あっという間に日が暮れていました。
「ディズニーランドは街灯がない、真っ暗である」
というのは、やっぱりそうでした。しかしなぜか気にならないのです。
たぶんもう、“楽しいマインド”がギンギンになっている上に「次にやること、21時までにやること」がハッキリしているので、目からビームが出てるような、「暗くても見えている」みたいになっていたんだと思います。
5年前の娘と同じ年齢の息子を連れているのに、まったく気になりませんでした。
あの日は、次に何に乗れるかもわからない、とりあえずディズニーの景色を眺めながら歩くだけでも楽しいはず、という状態でいたので、暗くて何も見えないのがすごく気になったんだと思います。
最後は、リニューアルのために今年7月で幕を閉じる「スペースマウンテン」に乗りました。一定のリズムの轟音、暗闇を駆け抜ける星の残像、有無を言わさず猛スピードで進むトロッコにしがみついて振り落とされるのを抵抗する感じ。ほぼ分娩でした。分娩の時と同じ必死さ。分娩マウンテンでした。
新しいスペースマウンテンに乗ることはないと確定していますが、ディズニーランドは本当に楽しかった!
目玉が飛び出る金額がかかるのですぐには行けないけど、また行きたいです。
1978年東京都生まれ。2001年第3回アックスマンガ新人賞佳作受賞(青林工藝舎)。母からの過干渉に悩み、その確執と葛藤を描いたコミックエッセイ『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)を2012年に刊行、ベストセラーとなる。ほかの主な著書に『キレる私をやめたい』(竹書房)、『お母さんみたいな母親にはなりたくないのに』(河出書房新社)、『しんどい母から逃げる!!』(小学館)などがある。