詐欺師にとって2024年は最高の稼ぎどき

たいていの場合、詐欺被害の入り口は「儲けたい」という思いです。そう思うこと自体はまったく悪くありませんが、著名人から直接LINEで儲かる方法を教わるなんて普通に考えたらあり得ない。その普通の感覚が、お金がからむと狂いやすいということは知っておいてほしいですね。

2024年は1月から新NISAが始まり、日本株も好調が続きました。今は、皆がやっているからとよくわからないままに焦って新NISAを始めた人、投資を始めたら思いがけず資産が増えた人などがたくさんいる状況です。投資初心者が盛んに動いている今は、詐欺師からすれば最高の稼ぎどきでしょう。

とりあえず投資を始めたけどよくわからないし質問できる相手もいない、懇切丁寧に教えてくれる人が現れたと思ったら詐欺師だった──。そんなことにならないように、初心者の方は投資のときこそ「普通の感覚」を大事にしてほしいと思います。

構成=辻村洋子

森永 康平(もりなが・こうへい)
株式会社マネネCEO、経済アナリスト

証券会社や運用会社にてアナリスト、ストラテジストとして日本の中小型株式や新興国経済のリサーチ業務に従事。業務範囲は海外に広がり、インドネシア、台湾などアジア各国にて新規事業の立ち上げや法人設立を経験し、事業責任者やCEOを歴任。その後2018年6月に金融教育ベンチャーの株式会社マネネを設立。現在は経済アナリストとして執筆や講演をしながら、AIベンチャーのCFOも兼任するなど、国内外複数のベンチャー企業の経営にも参画。著書は『スタグフレーションの時代』(宝島社新書)や父・森永卓郎との共著『親子ゼニ問答』(角川新書)、『つみたて投資の教科書』(あさ出版)など多数。