申し込み時ではなく融資実行時の金利が適用される
もう1つは、これから変動金利型の住宅ローンの利用を考えている人のリスクだ。これから、変動金利型の住宅ローンを利用したいと考えている人にとっては、金利上昇で毎月返済額が増えて、資金計画を立てにくくなってしまうし、すでに住宅ローンを申し込んでいる人にとっても、入居までに金利が上がって、実際の返済額が増えてしまうリスクがある。
というのも、住宅ローンは申し込み時の金利ではなく、建物が完成して、引き渡しを受けたあとに正式にローン契約を結び、融資金が下りるときの金利が適用される仕組みだからだ。
すでに売り主が退去している中古住宅や、完成済みの新築住宅ならすぐに引き渡しを受けることができるので、現在の金利で利用できる可能性が高いが、新築住宅だと引き渡しまでに一定期間かかることが多いので注意が必要だ。
新築戸建住宅でも、建売住宅は建物が完成してから販売することが多いが、注文住宅だと請負契約を結んでから着工、完成後に引き渡しを受けるので、最低でも半年、長いと1年以上先になってしまうので、金利が上がっている可能性が高くなる。
引き渡しが3年後のタワーマンションも
なかでも、注意が必要なのが、大規模物件が多いタワーマンション。新築マンションは多くの場合、工事が始まった段階から販売が始まるが、完成して引き渡しを受けるまでには長い期間がかかる。特に大規模物件だと1年先は当たり前で、2年、3年先になってしまうので、その間に金利が上がる可能性が極めて高くなる。
図表4は、マンション分譲大手7社が加盟するメジャーセブンのホームページに掲載されている、7社によるタワーマンションの販売事例から、総戸数500戸以上のメガマンションを一覧表にしている。
一部2025年の引き渡しもあるが、多くは2026年、2027年となっていて、2年先、3年先の引き渡しが珍しくないのだ。