フォロワーも多い有名人なら10年ぶりの復帰もアリだが…

女優でそんな現実を分かっているなと思わせるキャリアの築き方をしているのは、出産を経ながらTVドラマに出続けている松嶋菜々子、菅野美穂、松たか子、安藤サクラなど、だろうか。

しかし、しつこいようだが、黒木メイサが離婚によって行き詰まるとか、過去を後悔しているはずだと言いたいわけでは決してない。類いまれな美貌を持ち、フォロワーが何十万人もいる女性は企業も事務所も放っておかないから、これからの生き方にたくさんのバリエーションがあるはずである。元ジャニーズで、女性ファンも多い赤西仁が養育費を払わないなんてこともないだろう。

しかし、われわれ一般人はそのまねはなかなかできない。離婚による貧困も、養育費未払いも少なくないこの国では、ブランクありの仕事先探しも困難を極め、人生、離婚と同時に途端に“詰む”こともあるからだ。

長々と書いてしまったが、私はただただ個人的に「日本が世界に誇る大女優・黒木メイサ」を見てみたかっただけである。

そしてそれ以上に、結婚しても出産してもキャリアをあきらめないで済む、離婚でダメージを受けない女性たちが闊歩かっぽする日本を、この目で見届けたいと思っている。

乳幼児を抱き上げ、鼻をつけて思い切りかわいがっている母親
写真=iStock.com/kohei_hara
※写真はイメージです

※1)厚生労働省「令和4年・第1子出生時の母の平均年齢」は30.9歳

川崎 貴子(かわさき・たかこ)
リントス代表取締役

1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社・ジョヤンテを設立。2016年より、働く女性の結婚サイト「キャリ婚」を立ち上げる。婚活結社「魔女のサバト」主宰。著書に『我がおっぱいに未練なし』『私たちが仕事をやめてはいけない57の理由』など。■川崎貴子のカウンセリングルーム