若い人は給与の3割を投資に回す

【エミン】投資家にもいますよ。非常にリスキーなレバレッジ取引をして、せっかく貯めたお金をすべて失ったり、退職金を失ったり。ただそれは一部の人で、普通は自分が稼いだお金は大事にしますよ。逆に大事にし過ぎるところが日本の問題。投資しないで貯蓄ばかりしている。米国は正反対ですね。その意味では米国人は少し日本人化する、反対に日本人は少し米国人に近付いたほうがいいかもしれない。

【パックン】私は自ら稼いでお金の価値を理解するのがすごく大事だと思う。無駄遣いしないで節約する。収入と支出の差をつくって浮いた分を投資に回す。そのためには、給与から貯蓄もしくは投資に回すお金を省いてから予算を考える。

【エミン】そうね。

【パックン】収入の1割なら1割、2割なら2割。若い人は3割でもいいと思う。毎月の給与の3割を投資に回して、残り7割でどう生活するか、ゲーム感覚でやりくりしてほしいと思う。

【エミン】それはいい考えだね。

【パックン】それでお金が貯まったら、エマージェンシー資金、つまり何かあったときのために半年程度の生活費を確保した上で、残りは長期的な分散型投資にしてほしいと思いますね。エミンさんはプロの投資家として個別銘柄などを徹底的に調べた上で投資しているわけですけど、私の場合は30、40年寝かしても問題ない堅いファンドに入れたままにしています。そして老後生活に入ったときに「20歳代に頑張った俺は偉いなと」と喜びたい。

【エミン】いいね。

スタイリング=末次秀彦(パックン) 構成=向山 勇

パトリック・ハーラン(Patrick Harlan)
お笑い芸人

芸名パックン。1970年、米・コロラド州出身。93年、ハーバード大学比較宗教学部卒業。同年来日。福井県で英語教師を務めた後、97年、吉田眞と「パックンマックン」を結成。著書に『逆境力』(SB新書)など。

エミン・ユルマズ(Emin Yurumazu)
エコノミスト

トルコ・イスタンブール出身。2004年に東京大学工学部を卒業。2006年に同大学新領域創成科学研究科修士課程を修了し、生命科学修士を取得。2006年野村證券に入社。2016年に複眼経済塾の取締役・塾頭に就任。著書に『夢をお金で諦めたくないと思ったら 一生使える投資脳のつくり方』(扶桑社)、『世界インフレ時代の経済指標』(かんき出版)、『大インフレ時代! 日本株が強い』(ビジネス社)、『エブリシング・バブルの崩壊』(集英社)『米中新冷戦のはざまで日本経済は必ず浮上する 令和時代に日経平均は30万円になる!』(かや書房)などがある。