トップリーダーに必須なのはコミュニケーションスキル
【木下】トップリーダーにもっとも必要なスキルとは何でしょうか?
【田中さん】コミュニケーション力でしょうか。自分を押し出すのも時には大切ですが、誰に対しても「私はあなたの味方ですよ」というのを醸し出すと対人関係も営業もうまくいきますよね。相手に合わせてコミュニケーション方法を変えることはとても大切です。例えば国や話す言語によっても、相手に受け入れられやすい話し方、声のトーンがあるのではと思います。私自身、日本語で話すときは柔らかい口調、英語の時ははっきり、やや低めの声で話すことを心がけたりしています。
【木下】田中さんご自身、もっとも役立っているスキルはなんですか?
【田中さん】私のリーダーシップスタイルには、やはりコーチングのスキルが一番ベースになっていると思います。いろんなスタッフのやりがいや強みを引き出し、レベルアップを可能にしてあげることで、最終的には会社、チーム、そして自分自身が輝けます。私は、みんなが輝くことで自分は輝くと信じているので、そうした意味で、自分のチャレンジはみんなのチャレンジでもあり、チームで達成できるようにさまざまに取り組みたいですね。組織として仕事ができないとトップリーダーは務まらないと思っています。
実は今回初めてトップのポジションに就任しましたが、思っていた以上に「自分は試されているな」と感じます。ただ、トップだからこそできるチャレンジに私自身がワクワクしています。ここでの“学び”があれば、次はもっとうまくやれると、ポジティブにやりがいを感じています。お陰さまで自分に足りない部分を補ってくれる仲間もいますから、みんなに頼りながら、一つひとつ乗り越えています。
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対談の後は、参加メンバーからの質疑応答の時間に。ある人材系企業で300人を超える部下を抱えるメンバーは、「ポジションが上がるにつれ、会社から課せられる課題や目標が大きくなる。責任も重く、さらに人事の課題も。自分が本来やりたいミッションに手を付けられない」と悩む。
それに対し「人事問題の解決はプロセスにすごく時間がかかるけれど、解決に至らない場合も。そんなときは、自分だけで解決しようとせず、どんな部署にも経験者はいるので、アドバイスを仰いでください。自分ができることできないことをすぐに判断して抱え込まないことが大切です。人に助けを求めるのがベスト。人事問題でどんな決断をしたか、後で問題にならないよういろんな人を入れておくのは経験上、とても大事です」と田中さんは自身の経験からアドバイスした。
ほかにも「ダイバーシティ推進での取り組み」「仕事と家庭の両立」「採用」など、さまざまな質問や悩みが飛び出した。
リーダーとして働くメンバーそれぞれの悩みは尽きないが、田中さんはその一つひとつに丁寧に向き合い答えてくれた。そして、今後のさらなる上のキャリアをめざすには「ネットワーキングの大切さと、さらに自身を商品に例えてマーケティングの観点でどう考えるかが必要」だと最後に締めくくった。
「プレジデントウーマン リーダーズサロン」、次回は、2023年11月7日(火)19:00〜20:30(場所:永田町/プレジデント社内)、久々にリアル形式での講演会の開催が決定。ゲストはネット証券グループ大手「マネックスグループ」代表執行役社長CEO兼「マネックス証券」代表取締役社長である、清明祐子様をお迎えする。有名企業の代表の話を直接聞ける機会をぜひお見逃しなく!
尚、こちらのイベントは、サロンメンバー限定、申込制の有料イベントです。
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