「何でもやります」は逆効果になることも
「謙虚であること」が、時には「受け身である」と捉えられることもあります。
総合職ポジションの求人、あるいは職種は決まっていても配属先部署や担当業務が多岐にわたる場合、面接で「どの部署(業務)を希望しますか?」と聞かれることがあります。
このとき「どこでも結構です」「何でもやります」と答える方が結構いらっしゃいます。
本当にこだわりを持っていない方も多いのですが、柔軟に対応する姿勢を見せたほうが評価を得られると考え、このように答える人が見受けられます。その裏側には、「自分の強みをアピールしたり希望を主張したりすると、成果を期待されそう」と、プレッシャーがかかるのを避けたい気持ちもあるようです。
あるいは「どんなことも頑張ってやる」という意欲をアピールするつもりで、「何でもやります」と言う方もいます。
しかし、面接担当者はこのように捉えます。
「自分の強みややりたいことを認識できていないのだろうか?」
やはり「自己分析ができていない人」とネガティブな印象を持たれてしまうのです。「受け身で、主体性がない人」とも思われかねません。
第二新卒などの若手採用であればともかく、ある程度社会人経験を積んだ人材を中途採用する場合、企業は「私の強みはこれです。このスキルを発揮して御社にこのように貢献します」と明確に言える人を求めているのです。
腰が引けたトーンか、「何でも挑戦したい」というトーンか
なお、「何でもやります」も、表情や言い方によって受け止められ方が変わってきます。
「御社の判断にゆだねます」という、腰が引けたトーンでの「何でもやります」だと、上記のような消極的な印象を与えがちです。
一方、積極性をアピールしようとして「何でも挑戦したいです!」というトーンで話すと、企業によって受け止め方が変わる可能性があります。
「チャレンジ精神があって良い」と好印象を抱く企業がある一方で、「いろんなことをやりたい人なのかな。うちの会社では任せられる業務の広がりがあまりないんだが……」と、志向のミスマッチを感じる企業もあるのです。
積極性をアピールする場合も、応募企業の風土などを考慮する必要があるといえるでしょう。