※本稿は、いくみ@女性管理職&ブロガー『女性管理職が悩んだ時に読む本』(日本能率協会マネジメントセンター)の一部を再編集したものです。
親子ともに不安だらけの「小1の壁」
ワーママたちが最も苦労するポイントとして語り継がれているのが「小1の壁」。保育園時代は送り迎えさえすれば、あとのケアはすべて保育士さんにお任せでOKでしたが、小学校に入学した途端に子供の自主性が求められます。もちろん、学童保育というシステムはあるものの、保育園とは体制が異なるので、いきなりこの変化に晒されて戸惑うことしきり。昨今では学童保育も必ず保護者が送り迎えする仕組みができているようですが、我が息子が小1となった1999年の頃は、1人で学童に行って1人で帰ってくる必要がありました(授業がある時は校内にある学童施設に移動するだけですが、長期休暇の際は9時からしか学童が開いておらず、また、親が17時までに迎えに来なければ下校させる)。小1といってもまだほんの7歳。子供本人だって不安だらけだろうし、親も同じです。特に、当時は保育園卒園後から4月1日までの春休みは保育園で預かってもらうことができなかったので、子供だけのキャンプに参加させたりしてなんとか凌ぐものの、4月1日になったら、いよいよ学童参加開始。何せ入学前ですから友達を作るのもままならず、どうしてよいものやら、何も分かりません。
最初の2週間が正念場
当時は「全員が携帯電話を持つ」というご時世ではありませんでしたが、息子が小学校入学の際に私も携帯電話を持つことにして、とにかく家に帰ったらまず私の携帯に電話すること、これを母子の約束にしました。また学童入所前に「1人通学練習」として、休みの日に息子が1人で学校に行って帰ってくるという「シミュレーション」をやってみたり。しかしながら、そうした手立てもいざ始まってみるとあまり即効性もなく。学童開始直後は17時頃に息子から我が携帯に電話が来るものの「ママ~っ! こわいよぉ~」。1人でなんとか鍵を開けて帰宅したはいいけれど、誰もいない室内におそらくたじろいでしまったのでしょう。とはいえ、会社から飛んで帰ることもできません。住まいのマンションに同世代のお子さんがいるご家族がいたため、無理言って私が帰るまでの間過ごさせてもらったり、時々は私が早退したり……。とにかく、最初の2週間ほどを乗り越えれば、実はその後はなんとか進んでいくものです。実際、4月の後半くらいになってくると、学童仲間同士で一緒に帰りながら、途中お互いの家に寄ったり公園で遊んでいたり……。気付くと、私が帰宅する19時くらいまでに電話もかかってこず帰ってきておらず、心配でいても立ってもいられない時に、ママ友から「○○君、うちにいますよ~」と連絡があってヤレヤレってことも。子供の順応性には脱帽です。可能な限りご近所の方々とのネットワークづくりや、入学したばかりであってもママ友同士の交流に努めるのがオススメ。もちろん自分たちだけ助けてもらうのではなく、お互いに持ちつ持たれつ助け合いの精神でお付き合いをしていくことが、心のよりどころにもなってくれます。我が親子、頼れる親族が近くにいなかったこともあって、世間様にたくさん助けていただいて今があるといっても過言ではありません。