「またやってくれる」という期待を感じさせた若手社長
同様に社長が情熱的な方で、一時はどん底まで落ち込みましたが、復活を期待したいのがロボットホームです。もとはインベスターズクラウドという社名で「TATERU(タテル)」というアパート経営プラットフォームを運営していました。土地情報を武器に地主にアパート経営を持ちかけ、施工を請け負うといったビジネスモデルです。
創業者の古木大咲社長は当時30代後半と若かったのですが、体育会系的な雰囲気の漂う会社でした。株主総会に行くと、株主も社長への質問を怖がっていた印象でしたが、私としては「彼は何かやってくれる」と感じ、期待していました。
ところがその後、預金残高の改竄や不正融資が発覚して事業停止となり、倒産寸前までいくのです。売上げは20分の1まで落ち、株価も暴落します。それでも社長は経営を続け、現在は累積損もすべてなくなり、新たな状態でスタートしています。
天国と地獄を見た社長が手掛ける新たな不動産ビジネス
若くして天国と地獄の両方を見ているわけで、古木社長の強烈なキャラクターもあって、こういう会社には「またやってくれる」という期待が持てます。これもやはり株主総会で社長を見ているからで、そうでなければ、このような期待は持たないでしょう。
上場したばかりの頃に見た古木社長に、ものすごい迫力を感じたことは確かです。問題となった預金残高の改竄も、社長が体育会気質なので、気の弱い社員がノルマをこなすために思わずやってしまったのではないでしょうか。これでいっきに信頼を失ったにも関わらず、復活劇を遂げました。
現在運営しているのはIoTを活用した賃貸管理で、言わば賃貸物件のマッチングサイトです。借りたい人と貸したい人をつなぎ、うまくマッチングした賃貸物件を管理し、家賃の5~10%を管理費として受け取る仕組みです。
いわば“持たない”系で、管理費を地道に積み上げていくというビジネスモデルです。それまでの不動産売買で大きく収益を得るのとは、真逆のやり方といえます。