些細なことをケチると信頼がなくなる

信頼というと、これはどんな会社でも同じだと思いますが、職場の事務の人たちは本当によく人を見ています。たとえば、仕事上のつき合いで送られてきたお中元やお歳暮を自宅に持って帰る人。「みんなで食べよう」と言って分け合う人との人間力は、そんな些細なことで大きく開いてしまいます。

お金も、小銭ほど気をつけなければいけません。個人のお弁当代とか私用のお土産代まで経費で落とそうとする人は、それだけで信頼を損ねてしまう。些細なことをケチる方が、よっぽど高くつく結果になるのです。

林 真理子(はやし・まりこ)
作家・エッセイスト

1986年に直木賞を受賞。現代小説、歴史小説、エッセイと幅広いジャンルで精力的に作品を発表している。2018年『西郷どん!』がNHK大河ドラマになり、紫綬褒章を受章。近著に『奇跡』がある。