誰かへ「贈り物」をする

人へのさりげないプレゼントは、相手だけでなく自分の脳と心も喜ばせます。誰かへのプレゼントを考えるとき、自然に心が沸き立つのを感じます。

相手が喜ぶ顔を思い浮かべるとき、人は喜びを感じるものです。相手の喜ぶ顔を思い浮かべながらプレゼントを選ぶという行為は、脳も心も活性化させてくれます。

「この人は何をプレゼントしたら喜んでくれるかしら」
「このこしあんは、甘党のあの人が気に入るに違いない」

そうやって相手の顔を思い浮かべながらあれこれ考えるとき、人は未来を見ています。心がワクワクして脳が喜ぶ瞬間です。

喜ばれなくてもがっかりする必要はない

未来を思い浮かべるときは、自分や人が笑顔になる姿を思い浮かべましょう。

藤井 英子『ほどよく忘れて生きていく』(サンマーク出版)
藤井 英子『ほどよく忘れて生きていく』(サンマーク出版)

普段のやりとりでも、「今この人はどうしてほしいのだろう」と、ちょっと考えてから言葉を発したり、行動したりすることも、幸せな未来予想図になりますね。もちろん、脳の活性化につながりますし、相手に対してやさしさを持って接することもできるようになります。いいことづくしです。

また、相手からしてもらうことや言葉を贈り物としてとらえてみると、自然と、ポジティブな気持ちで受け取れるようになりますね。

ただ、心得ておいてほしいのは、プレゼントをすることは、相手のためということもありますが、自分のための行いでもあるということです。プレゼントを相手に手渡したとき、実際に喜ぶかどうかは相手の自由です。喜ばれなかったからといってがっかりするなど、つまらないことです。

藤井 英子(ふじい・ひでこ)
心療内科医、藤井医院院長

医学博士。1931年京都市生まれ。京都府立医科大学卒業、同大学院4年修了。産婦人科医として勤めはじめる。結婚後、5人目の出産を機に医師を辞め専業主婦に。育児に専念する傍ら、通信課程で女子栄養大学の栄養学、また慶應義塾大学文学部の心理学を学ぶ。計7人の子どもを育てながら、83年51歳のときにふたたび医師の道へ。脳神経学への興味から母校の精神医学教室に入局。その後、医療法人三幸会第二北山病院で精神科医として勤務後、医療法人三幸会うずまさクリニックの院長に。漢方薬に関心を持ち、漢方専門医としても現場に立ってきた。89歳でクリニックを退職後、「漢方心療内科藤井医院」を開院。精神保健指定医。日本精神神経学会専門医。日本東洋医学会漢方専門医。