ミドル層が避けたい面接NGワード
面接では正直に回答することが大切とはいえ、思ったことを何でも口にして良い場ではありません。何のための面接なのかを念頭に置き、採用担当者の期待に応える回答を返しましょう。
ミドル層の場合、転職動機を聞かれた際、「年収と肩書を上げキャリアアップするため」「成長させてもらえそうだから」「部長を/年収~万円以上を希望します」などと真っ先に自分の要求を挙げてくる人はスムーズな採用にはつながらないようです。
もちろん転職で得られる諸条件は重要なことで、要求を持ってはいけないということではありません。ただ、転職理由として仕事内容より優先して諸条件に関することばかり言及すると、仕事よりも条件面を重視する人だと誤解されてしまう恐れがあります。
優先すべきは、あなたがその企業にとって、いかに貢献できるか、人材としての価値を伝えることです。それを十分理解してもらえれば、おのずと、やりがいと責任のある職務、相応の年収の提示が結果としてついてくるはずです。
ミドル層の転職の場合、求められているのは即戦力です。面接でやりたい仕事を聞かれたときに、20代の新卒面接であれば「何でもやります」と言えば意欲的だと思われそうですが、ミドル世代はNG。「何でもやります」「どのような仕事内容でも構いません」は「専門性がない」「何もできない」と言っているようなものです。ぜひ、「自分の専門性や強みを活かして○○に取り組みたい」と言えるように準備をしておきましょう。
転職面接で大切なのは「自分の価値を伝える力」
繰り返しになりますが、ミドル層の転職の場合、企業側が求めているのは、スキルや実績にプラスをしたあなたの付加価値です。
あるIT企業の女性マーケティング担当者がヘッドハンティングされた際、転職先の企業に「マーケティングの部門統括と同時に、初の女性幹部となるため、女性社員がビジネスキャリアを築いていくためのロールモデルとなってほしい」と言われたそうです。まさに、付加価値を期待されたケースです。
このようにミドル層の人たちに転職先が求めるのは、現状不足を補い進展させる能力と、ポジションに就いた際その職に挑戦する人材です。自己PRにもこうした企業側の期待を盛り込めば、人材としての価値が伝わりやすくなるはずです。
では、どのような自己PRの工夫が効果的でしょうか。まずは、一般的な自己紹介の例です。
一般的な自己PRの例)
「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。私はこれまでIT企業の株式会社△△にて、技術職として新卒から16年勤務し、現在は、DXを進めるクライアント企業様に製品やサービスを提供するプロジェクトのリーダーをしています。最近のクライアントの事例でいうと、導入前と比較して30%のコスト削減を実現することができました。これからDXを進める御社でも即戦力になれるのではないかと考えております。本日はよろしくお願いいたします」
一般的な自己PRの構成は、募集職種に役立つスキルや能力を持っていることをアピールし、「自分のスキルが活きると思い応募しました」と意欲で締めるパターンです。もちろん、これでも良いのですが、もし他にも志望者がいた場合、スキルや実績で比較されてしまい、選ばれない可能性も出てきてしまいます。また、この一般的な構成だと付加価値を伝えにくい場合もあります。