筋トレ大好きなマッチョから、運動しない一般人はどう見えているのか。ストイックなマッチョたちを取材した辛酸なめ子さんは「筋トレすると、ポジティブになって老後も安心。筋肉は裏切らないと感じた。彼らには運動しない一般人がどう見えているのか聞いて大いに反省した」という――。

※本稿は、辛酸なめ子『大人のマナー術』(光文社新書)の一部を再編集したものです。

鍛えられた男性の腹筋
写真=iStock.com/Milatas
※写真はイメージです

マッチョビジネス全盛期

「ナイスバルク!」
「キレてるキレてる!」
「背中に鬼神が宿ってる!」
「腹筋6LDKかい!」

コロナで健康不安がつのる中、筋肉をホメたたえる「マッチョ音声」に励まされました。文字通りパワーワードの数々。マッチョボイスには女性ホルモンを活性化させる効果が期待できそうです。

そんなマッチョ音声やマッチョのシュールな写真素材を集めたコンテンツ「マッスルプラス」が話題です。先日制作会社の人とコンタクトが取れたので、今の時代だからこそ求められている筋肉の大切さや、マッチョ処世術について取材させていただきました。

マッチョで生き残っているのはうちだけ

待ち合わせ場所のカフェに現れたさわやかな男性は、株式会社スマイルアカデミーのAKIHITOさん。マッチョを500人以上抱えているマッチョ専門の企画会社だそうです。私もかつて「マッスルカフェ」や「マッチョかき氷」など数々のマッチョイベントに伺ったことがありました。

「マッチョかき氷」はタンクトップ姿のマッチョなイケメンが「サイドチェスト、抹茶チェスト~!」などと叫びながら、プロテイン入りのシロップを飛び散らせ、ワイルドに氷を削っていたのが印象的でした。「マッチョカフェ」は大人気でひとりで数時間並んでやっと入れた思い出が……。

でもAKIHITOさんに聞くと「それは別の会社かもしれません。ただ、現状マッチョで生き残っているのはうちしかないです」とのこと。あのときのマッチョな方々は今お元気なのか気になりますが……。コロナ禍を乗り越えているAKIHITOさんにぜひポジティブマッチョな生き方を伝授していただきたいです。