先に徴収漏れをなくすべき
現状ではこれができていない。取るべき所から取れていないのだから、これを解決するのが先決だ。
社会保険料の徴収など、かなりずさんだ。小さい事業所など、従業員の給料から社会保険料を天引きしておいて、実際にはその分を納めていないケースが少なくない。いわゆる徴収漏れである。
その他にも、それぞれの税に徴収漏れが数多くある。これらをきっちり取れるようになるだけでも、ずいぶん税収は変わってくるだろう。
たしかに、ふた昔くらい前であれば、税収を上げるには税率を上げるのが普通だった。
しかし、それはもはや過去のやり方だ。
しかし前例主義に凝り固まった財務官僚は、未だに過去のやり方にこだわって、アップデートできていない。
かつては、消費税や酒税など、いわゆる商品やサービスに上乗せする形で徴収される間接税が上がると、税務当局は所得税や住民税といった直接税を下げることでバランスをとっていた。
最近は、マイナンバー制度が導入されたことから、システムを整えればどちらでも徴収できるようになっている。
直接税はもちろんだが、間接税も、たとえば消費税なら簡易税率をやめ、すべてインボイスで漏れなく徴収できるようにすれば、かなり税収は上がるはずだ。
インボイスについて、ここで詳しい説明はしない。ただ、消費税を導入している国であれば、たいていは当たり前にある制度だ。端的にいえば、しっかり漏れなく消費税を徴収するための制度だと思ってほしい。
ただ、こうしてテクノロジーや新しい制度を利用して上がった税収分は、これまで徴収漏れしていた分であり、新たに税を課した結果ではない。これまで正しく公正にやってきた人は、何ら痛手を負わない税収である。
すべての人から公平に、平等に税を取れば、税率はそのままでも十分に税収は上がる。不公平が是正されるのだから、こちらの方がずっと良いだろう。
しかし財務官僚は、税率アップにばかり気が向いているようだ。徴収漏れの話などには耳を貸さないのである。
「すべて電子マネー」で税収アップを!
税収を上げたいなら、不公平にずる賢こくやっている人から取ればいい。「真面目に申告する方が賢い」という状況を作ればいいのである。
たとえば、電子マネーが一般化している現在ですら、領収書にこだわるのもおかしな話だと思えてならない。いちいち領収書をとっておくのも手間だし、かさばるし、集計するのも時間がかかる。
その点、電子マネーは利用すれば自動的に履歴が残るのだから、「これでいいじゃないか」といつも思うのだ。しかし私自身、税務署から「領収書を保存しておいてください」としつこく言われ続けている。面倒でしょうがない。