自分の中にある思い込みを洗い出そう
表をチェックしてみてください。「こんなふうに思うことがあるな」というものはありませんか。これらはアンコンシャス・バイアスのほんの一例です。チェックが多いから悪い、少ないからいいと、結果を評価するものではありません。これらの例題から「自分にもアンコンシャス・バイアスがある」と、気づくきっかけとなるものです。
思い込みに気づかないと、自分自身を過大または過小評価したり、仕事では人間関係が悪化したり、さまざまな悪影響を及ぼすことも。
たとえば、「単身赴任は、普通は男性がするもの(女性は普通、そういう働き方は選択しないものだ)」というアンコンシャス・バイアスに気づかずにいると、「私は女性だから、この打診は受けないほうがいい」と、じっくり検討する前に断ってしまうかもしれません。頭ごなしの決めつけは、キャリアに影響することもありうるのです。
また、たとえば、あなたが上司として誰かに何かを任せようとしている状況を想像してみてください。「介護中は大変だから、リーダーは任せないほうがいい」と、配慮のつもりでそう判断したとします。「介護=大変=リーダーにしないほうが本人も喜ぶはず」という“配慮に潜む”アンコンシャス・バイアスがそこにはあるかもしれません。よかれと思ってのことが、相手にとってもいいことかどうかは、対話による確認が必要です。「きっとこうだ」という根拠のない無意識の思い込みが、個人や組織の成長機会を奪ってしまうことにもなりかねないのです。
アンコンシャス・バイアスは、日常にあふれています。一人一人の多様性が生かされるかどうかは、あなたの中にあるアンコンシャス・バイアスに気づくか否かがカギかもしれません。まずは「これは思い込みかもしれない」と自分の中に潜むアンコンシャス・バイアスに意識を向けることからはじめましょう。