賃貸には資産価値は関係ない

【慶太】オレも、大学に受かったら学校のそばに住もうかなあ。

【パパ】慶太の場合は判断が難しいな。

【慶太】どうして?

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【パパ】慶太は、勉強はもちろんだけど、起業したり旅行したり、いろいろやりたいことがあるんだろう? 留学もしたいって言ってたよね。つまり、学業以外にもいろいろお金がかかる。だから、家賃で出費が大きければ、ほかに使えるべきお金が少なくなってしまうんじゃないか?

【慶太】たしかに……。

【パパ】穣一くんは、いまは会社の仕事に没頭するのが最も優先順位が高く、ほかにお金を使うべきところはあまりないだろうから、多少住宅ローンの返済が多くても問題はないと思う。それに、穣一くんの場合は持ち家になるから資産性が重要だけど、慶太は賃貸だから資産価値は関係ないし。

【慶太】でも、さっき通学時間がもったいないって言ってたじゃない。

引っ越しの直前か直後の何も置かれていない部屋
写真=iStock.com/SetsukoN
※写真はイメージです

通勤時間による疲労は侮れない

【パパ】会社員の場合は、どうしても朝晩の通勤ラッシュに巻き込まれるからね。もちろん、混雑した車内でもスマホで情報収集ぐらいはできるし、オーディオブックで勉強もできる。とはいえ、やはりその疲労は大きい。それに、穣一くんが言っていたとおり、仕事で遅くなっても速攻で寝られるから、十分な睡眠時間を確保できて心身ともに疲れが取れる。一方、大学は授業を選べるから、通学時間をずらすことができる。ピークを外せば疲労は少ないし、座席に座ってパソコンを開いていろんなことができるだろう?

【慶太】じゃあ、大学の寮かな。

【パパ】寮があって入れるなら、それもアリだね。食事が出る寮もあるし。あとは、プライバシーが確保されているかどうかかな。個室ならいいけど、復数人のシェアでルームメイトが騒がしいヤツだったら困るだろう。

【慶太】あー、それ重要かも。

午堂 登紀雄(ごどう・ときお)
米国公認会計士

1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、コンビニエンスストアチェーンを経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。IT・情報通信・流通業などの経営戦略立案および企業変革プロジェクトに従事。本業のかたわら不動産投資を開始、独立後に株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ、株式会社エデュビジョンを設立し、不動産投資コンサルティング事業、ビジネスマッチング事業、教育事業などを手掛ける。現在は起業家、個人投資家、ビジネス書作家、講演家として活動している。著書に『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)、『決定版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(Gakken)、『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』(日本実業出版社)、『お金の才能』『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)など。