若いころから節約や貯蓄をする習慣は身に付けたほうがいいのか。不動産コンサルタントの午堂登紀雄さんは「貯蓄自体が目的になってしまうと、スケールの小さい、つまらない人生を送るリスクが高まる。20代のうちは、収入のほどんどを自己投資に充ててもいいくらいだ」という――。

※本稿は、午堂登紀雄『人生の正解をつくるお金のセンス 17歳までに知っておきたい「使う」「貯める」「稼ぐ」「守る」「増やす」の考え方』(技術評論社)の一部を再編集したものです。

貯金箱
写真=iStock.com/Khanisorn Chaokla
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・登場人物
【慶太】…しっかり者の17歳、現在高校2年生。バスケ部と弁論部をかけもちしている二刀流。高1の頃はパパの真似をしてアプリを開発・販売していたこともあり、将来は起業を目指している。
【パパ】…慶太のパパにして、会社経営者。家計はすべてパパが握っている。将来は慶太も和泉も起業してほしいと考え、お金の面で困らないよう、いろいろ伝授に余念がない。
【穣一】…パパの姉の子で、現在25歳の会社員。パパからは甥、慶太からは従妹にあたる。根はマジメで、パパのことを尊敬しており、よく相談に乗ってもらっている。

20代のうちは貯金しなくていい?

【パパ】「穣一くん、いらっしゃい、久しぶりだね」

【穣一】「就職活動のときはお世話になりました。お礼に伺うのが遅くなってしまってすみませんでした」

【パパ】「いやいや、忙しいのは何よりだ。そういえば穣一くん、先日メールで家を買おうかどうか迷っているって言ってたけど、もう決まったのかい?」

【穣一】「いやあ、欲しいとは思うんですが、頭金とか諸経費とか必要で、なかなかお金も貯まらなくてですね……もうしばらく時間がかかりそうです」

【パパ】「まあ、穣一くんの年齢であれば、マイホームは急ぐ必要もないし、無理に貯金なんてしないで全部使い切ってしまってもいいぐらいだよ。子どもがいるわけでもないし」