「モテたい」「男受けしたい」という邪心を捨てる
【田嶋】可能性は無限大、ということか。アプリ婚活を成功させるためのポイントは何なの?
【アル】ポイントは「モテたい」「男受けしたい」などの邪心を捨てることです。私は「喧嘩に負けて勝負に勝つ」とバトル漫画のようにたとえてますけど(笑)
結婚は選挙と違って「自分にピッタリのたった1票」をゲットすればいい。でもどうしても不特定多数に好かれたいと思ってしまうじゃないですか、女性は特に「女はいつも笑顔で愛想よく」と刷り込まれているし。そうじゃなくて「雑魚モテしても無駄無駄ッ!」と嫌われる覚悟で「いいね」の数を10分の1に減らそうって作戦です。残った1割の中に、本当に自分に合うキンタマが潜んでいるから。
【田嶋】きちんと自己主張をして、そのうえでマッチングすることが大事なんだ。
【アル】「男尊女卑な人は苦手です」とハッキリ主張すれば「面倒くさそうな女だな」と思う男は排除できるし、「自分も男尊女卑とか苦手だし、価値観が合いそう」と思うジェンダーイコールな男子を一本釣りできるんですよ。
【田嶋】今の話を聞いてると、しっかり自分の意見がある人で、取捨選択できる能力がないとできないってことかな。いいね、まさにフェミニズムだよ。それができる女の人たちも、それを教えてるあなたもお見事!
フェミニストは婚活に向いている
【アル】フェミニストは男に嫌われることに慣れているし、「女は男に選ばれるもの」ではなく「自分で選ぶ」と主導権を握れる人が多いので、意外と婚活に向いてるんです。
【田嶋】うんうん。嫌われる覚悟と勇気をもって、ちゃんと自己主張できるってすごく大事。それはフェミニズムの精神がないとできないことだと思う。
【アル】自分をさらけ出して「これが私だ! こんな私をいいねと思う者だけ来い!」と思える強さが必要ですよね。
【田嶋】すばらしい覚悟と勇気だよ。素敵な話を聞かせてもらった。もう今日の話はこれでおしまい!(笑)
【アル】いやまだ終わらんですよ(笑)。
【田嶋】今の結婚がそういう方向になってるなら、フェミニズムが成功してるじゃない。結婚はタダ働きの疲れてなんぼ、みたいなのと全然違う。
【アル】女を奴隷扱いしない、対等に尊重し合えるパートナーを選べば、結婚して幸せになれる可能性は高いと思います。
神戸生まれ。著書に『フェミニズムに出会って長生きしたくなった』『モヤる言葉、ヤバイ人』『離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由』『40歳を過ぎたら生きるのがラクになった』『オクテ女子のための恋愛基礎講座』『アルテイシアの夜の女子会』他、多数。
元法政大学教授。元参議院議員。英文学・女性学研究者。書アート作家。シャンソン歌手。女性学の第一人者として、またオピニオンリーダーとしてマスコミでも活躍。津田塾大学大学院博士課程修了。イギリスに2度留学。『愛という名の支配』『ヒロインはなぜ殺されるのか』『我が人生歌曲』など著書多数。