巨大プラットフォームとして前例を作ることを期待

しかし、Yahoo! JAPANが「利用者が多様な意見を共有しあい、新たな視点を得るきっかけを創出する」という目的を達成し、有意義な言論空間として発展させていきたいのであれば、今後も改善のための努力を継続的に重ねていくことが求められる。

「Yahoo!JAPAN」HPより
「Yahoo!JAPAN」HPより

海外では、荒れたことを原因にCNNやReuter(ロイター)などの大手メディアのコメント欄が次々と閉鎖された。ヤフーニュースほどの大量のユーザ数を誇るニュースサイトで、適切なモデレーション方法を見つけ、ユーザに議論の場を提供し続けていくことができるならば、それは世界的に見ても先駆的な取り組みといえるだろう。

山口 真一(やまぐち・しんいち)
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授

1986年生まれ。博士(経済学・慶應義塾大学)。2020年より国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授。専門は計量経済学、ネットメディア論、情報経済論等。NHKや日本経済新聞などのメディアにも多数出演・掲載。主な著作に『正義を振りかざす「極端な人」の正体』(光文社)、『なぜ、それは儲かるのか』(草思社)、『炎上とクチコミの経済学』(朝日新聞出版)、『ソーシャルメディア解体全書』『ネット炎上の研究』(共著、勁草書房)などがある。