随時異動型は、自分でキャリアを切り拓くスタンスが必要
随時異動での異動ニーズは、ほぼすべてが事業要請に基づくポジション起点のものだといってよさそうです。中には、親の介護のために実家近くの事業所に転勤を希望している人のポジションを探すというような、個人事情による人材起点の異動があったりもしますが、全体からすると少数の例外です。
さて、自社が定期異動型か随時異動型かは、すぐにわかるはずです。両者の違いは経営の考え方の違いであって一概に随時異動型が場当たり的だとは言えませんが、異動タイミングを想定しづらい分、計画的な人材育成という面では定期異動型よりも工夫が必要であることは確かです。自社が随時異動型の場合は、人事部にあなたの中長期キャリアプランを目配りしてもらえる可能性は、残念ながら定期異動型よりは低めだと考えたほうがいいかもしれません。定期異動型の場合以上に、自分でキャリアを切り拓いていくというスタンスが必要です。
電機メーカーの人事部・経営企画部を経て、総合コンサルティングファームで20年にわたり人事制度改革を中心としたコンサルティングに従事。その後、タレントマネジメントシステム開発ベンダーに転じ、取締役としてタレントマネジメントシステム事業を統括するとともに傘下のコンサルティング会社の代表を務める。2017年8月パーソル総合研究所に入社、タレントマネジメント事業本部を経て20年4月より現職。タレントマネジメントを中心とした調査研究を担当。人事専門誌などへの寄稿も多数。