少子化対策に必要なのは抜本的な経済政策
もしも出産育児一時金が十分に増えて、自己負担が減れば産む人にとってはうれしいことだと思います。だからといってそれで産む人が増えるでしょうか。私はそうは思えません。少子化の原因は、分娩時の負担額が大きいためではないからです。
結局、出産育児一時金の増額など小手先の政策では、少子化対策にはならないと思います。では、真の少子化対策とは、どういうものでしょうか。
今の日本で子供を育てるには、小さい頃はすごく手がかかるし、手が離れると、今度は教育費がかかるので、一人産んでも、もう一人産もうとはなかなかなりません。昔のように「今は収入が少なくても、右肩上がりに成長するから、産んでも何とかなるよね」という人はたぶんいないでしょう。
今、子育て中の人たちの多くは、沈みゆく日本で、自分の子供だけは船のマストの上に登れるように手厚く教育するというマインドです。その空気感が変わらないと、もう一人産もうとはならないと思います。
いくら保育園に入りやすくしても、企業が育休や時短の制度を進めても、やはり日本に住んで安心、このまま産んでも何となるという空気にならない限りは、子供は増えないだろうと思います。