証券取引所の大家「平和不動産」に注目

私は日本橋あたりの不動産を持っている会社が、これから伸びていくのではないかと予想しています。

日本は人口が減ってきているのに、なぜ日本橋あたりではいつも大きな再開発をやっているのか? それが私の疑問でした。

で、あるとき、気づいたのです。この裏には壮大なストーリーがあって、外資系企業などもすっぽり入れるくらいのとてつもなく大きなインフラを作り、兜町に近い日本橋エリアが中心になっていくのではないか、と。

日本橋周辺が、これまでアジアの金融ハブとなっていた香港とシンガポールにとって代わるのではないかというのが私の妄想ストーリーです。

香港は完全に中国の支配下になってしまっています。デモが起こるくらい言論統制が進み、習近平国家主席はしきりに「同じ中国だ」と主張しています。そうなると金融ハブとしての役割を果たすのは難しくなってくるでしょう。

シンガポールについては、金融特区という形で作られましたが、歴史が新しい国でもあり特に固有の文化があるわけでも、おいしい食べ物があるわけでもありません。

そうなると日本、それも「急速に開発がすすむ兜町に近い日本橋エリアが次なる金融ハブ候補になっていて、水面下で動いているのではないか?」と思ってしまうのです。

日本橋が金融ハブになると仮定した場合、次の銘柄が面白いのではないかと思います。

平和不動産(8803)
<会社プロフィール>
【特色】東京、大阪、名古屋、福岡の証券取引所を賃貸
【反落】主力のビル賃貸は兜町再開発ビルがフル寄与、新規物件も貢献
【整備】賃貸物件は都心と地方中核都市のオフィス取得に軸足

※『会社四季報』2022年4集秋号より

小池百合子東京都知事の「東京金融ハブ構想」に注目

特色欄から推測できた方もいらっしゃるでしょうか? そうです。この会社は、東京証券取引所の大家さんにあたります。他にも東京・兜町に土地を持っています。見出しでは【反落】というネガティブキーワードが出現していますが、兜町の再開発計画についてはポジティブに言及されていることがわかるでしょう。

2021年春号を読んでいるときに、三井不動産、三菱地所、平和不動産のチャートを見比べていて、前者2社は高値を更新していないのに、平和不動産だけが右肩上がりに上昇し高値を更新していることに気づいたのです。明らかに前2社とは異なった動きをしていて、「なぜだろう?」と思ったときにひらめいたのが、小池百合子東京都知事がずっと発言し続けていた「東京金融ハブ構想」だったのです。