相手からの信頼度が上がる言い換え

商談でクライアントから値下げ交渉をされた時、それがあまりに無理な要求だったために、つい「それは、私からは何とも……」と言ってしまったことはありませんか?

もちろん、それが本音であり事実ではありますが、相手は当事者意識に欠けていると感じるでしょう。

要求に応えることが100%不可能であったとしても、即答するのは避けたいもの。かといって、可能性があるように見せるのも危険です。

ビジネスだけでなくプライベートでも同様ですが、コミュニケーションで大切なのは相手の気持ちを一旦受けとめること。どんなに無理なことでも相手の「思い」だけは受け取って、何とかして応えたいという「思い」を伝えます。応えたいという「思い」なら、OKの言質を取られることにはなりません。

ここでは、「私では判断いたしかねますので、一旦持ち帰り上席にかけあってみます。明日の正午までお時間いただけますでしょうか」と言うのがベストです。

「確認する」ではなく「かけあう」と言うと、相手側に立つニュアンスが出ます。立場は自社側ですが、「思い」は相手側というのがポイント。信頼度が格段にアップします。

遅刻の謝罪はシンプルに限る

電車の遅延で遅刻をした時、開口一番「すみません、電車が遅れまして……」と言ってしまいがちです。しかし、状況によってはそれが相手を怒らせることもあります。交通機関のトラブルや想定外のハプニングは自身の責任ではないにせよ、時間に遅れたこと、相手を待たせたことに違いありません。

第一声は「遅れまして、申し訳ございませんでした。ご迷惑をおかけしました」に尽きます。

頭を下げて謝る女性
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遅刻に関して、理由を聞かれたら正直に答えればいいのですが、聞かれてもいないのに「電車が……」と言う必要はありません。理由を聞かれないということは、相手が理由を問題にしていないということ。遅刻したという事実が重要だということです。

電車の遅延は日常茶飯事であり、社会人としてはそれを見越して余裕を持った行動をすべきです。もし、途中で遅刻しそうだなと思ったら、その時点で一報入れておくのがビジネス上のマナーです。

今は、電車内でも「ただいま○○のため停車しております。運転再開は△分後の予定です」とアナウンスがあるくらいです。その都度、目安の時間や状況を共有することは非常に大切なのです。