利殖性資金の投資先「外債・リート・コモディティ」

株式型投資信託で手軽に投資【利殖性資金】

●外国債券

海外の国や企業が発行する債券で、定期的に利息が支払われ、満期には額面の金額が戻ってくる。投資信託を利用すれば手軽に投資できる。株価が下がると債券価格が上がるなど、株式と債券は反対の動きをしやすいと考えられており、ポートフォリオに債券を加えることで分散効果が期待できる。「海外には金利が上がってきた国もあり、外国債券は投資する価値があります。新興国の債券は安全性が低いものもあるので、先進国の債券に投資するインデックス投信で低コストのものを選ぶといいでしょう」(深野さん)

eMAXIS Slim 先進国債券インデックス

●リート

リートとは、多くの投資家から集めた資金をオフィスビルや商業施設などに投資し、その賃料を収益とする投資信託の一種。景気が悪化してもしばらくの期間は賃料が下がりにくい、といったことから、景気悪化時にもある程度の安定性があると考えられている。株価とは動き方が異なるので、分散効果も期待しやすい。国内のリートに投資するインデックス投信のほか、先進国のリートに投資するインデックス投信もあり、手軽に投資できる。

・国内リート

eMAXIS Slim 国内リートインデックス

・先進国リート

eMAXIS Slim 先進国リートインデックス

●コモディティ

コモディティとは商品を意味するもので、金やプラチナ、銀などの貴金属、ガソリン、原油、天然ガスなどのエネルギー、とうもろこし、小麦、大豆、米、砂糖などの農作物などがある。モノの値段が上がっていることからコモディティへの投資を考える人もいるが、「すでに価格が上昇しており、タイミングが難しい」(深野さん)という側面も。投資する場合はETFや投資信託が選択肢になる。

一方、伝統的に投資対象として考えられているのが、「金」。金融危機などで世界的に株価が暴落した際には、とくに金が買われる傾向にある。金は実物資産であるため、有事に強いと考えられているからだ。現物を買う手もあるが、金の価格に連動するETFを使うのが手軽。「金は利息を生むわけではなく、資産を増やすというより、資産を守るという役割で持つのが適しています。資産の5~10%程度が目安」(目黒さん)

SPDRゴールド・シェア(ワールド・ゴールド・トラスト)

比率が大きく動いたらリバランスを検討

リバランスの方法

資金を3つに分け、投資のポートフォリオを作っても、各資産が値動きすることで割合が変わってくることがある。「株式を60%にしたのに80%になったなど、大きく割合が変わってくると想定以上に全体のリスクが大きくなります。変化した割合を元に戻すリバランスを考えたい」(目黒さん)。増えた分を売ると利益が確定できるが、利益に税金がかかる。資金を使う予定がなければ、割合が低くなった資産を買い増しすることで比率を整えるのがよさそう。

理想のポートフォリオ