※本稿は、庄子寛之『子どもが伸びる「待ち上手」な親の習慣』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
口を出さず、「ただ見る」
「片付けなさい!」
「昨日も片付けてなかったわよ」
「何度言ったら分かるの!」
と怒ってばかりです。
時には褒めていますが、うまくいかず、自己嫌悪になります。
どうすればいいのでしょうか?
叱りたくない、褒めなきゃと思っているけど、つい怒ってしまう。ほんとは怒りたくないのに! という気持ちは、多くの親御さんにあるのではないでしょうか?
ここで大事なことは、むやみに口を出さず、「ただ見る」こと。
毎日言われているなら、子どもだって親を怒らせたくてやっているわけではありません。ついつい忘れてしまうのです。
ポイント①「人はすぐには変われない」ことを理解する
そもそも脱ぎ散らかすことが習慣化してしまっていて、抜け出せないのでしょう。大切なことは、ポイントの1つ目「人はすぐには変われない」ことを理解することです。
習慣というのは厄介で、無意識のうちにさまざまなことをしてくれます。毎日靴を右足から履いて、自転車のペダルを踏んで……なんて意識していませんよね。
人は一日の中で無意識にたくさんのことをしています。我が子にとって、服を脱ぎ散らかすことはその一つなのでしょう。
一度叱ったところですぐには直らないものです。そこを叱り続けると、「ぼくは直そうとしているのにできないだめな子だ」と無意識に思うようになり、子どもの自己肯定感が下がります。
自己肯定感が下がると、子どものやる気や自信がどんどん下がってしまいます。
服をしまうことができるようになることと引き換えに、「ぼくはどうせできない子だ」と思ってほしいという親はいませんよね?
一度言ってもできない我が子を見たときには、「人間だから、すぐには変われないんだ。私だってこんなところあるもんな」と、子どもに注意する前に考えてみてください。
そして、ここでポイントの2つ目、「やらない権利を認める」のです。