「ステップ1」写真を撮る

以上を踏まえて、片づけられない人に実践してほしい3ステップについてお話します。

人は誰でも自分のことを都合よく見ていますが、写真を撮って、自分を俯瞰して見ると気付くことがたくさんあります。鏡と同じですね。

ですから、まず部屋の隅々まで写真を撮ってみましょう。他人から見えている姿がわかりますし、それが、本当に自分の望む家かどうか、自分なりにそのギャップも見えてきます。

スマートフォンでリビングの撮影
写真=iStock.com/Feverpitched
※写真はイメージです

たとえば対面キッチンをリビングから撮ってみると、びっくりするでしょう。上から手袋がぶら下がっていたり、奥の食器棚の上に段ボールが積み重なっていたり、冷蔵庫の扉にお知らせがベタベタ貼ってあったりと乱雑な様子が、お客さま側から丸見え。

こんなふうに片づける前の写真を撮っておくと、盲点が見えますし、あとから振り返ると「私、こんなに頑張った」という成果が見えて、「ああは戻りたくない」と思えるようになります。ライザップのビフォー、アフターの写真と同じですね。かつての太っている自分の姿を見て、戻りたくないと思う。努力が消えてしまわないためにも写真を撮ることは有効なのです。

動画を撮るのも、おすすめです。カメラを手に「こんにちは」と玄関から入って、お客さま目線で部屋を撮っていくと、アラがよく見えます。自分の目で見るのとは全く違った部屋の姿が映っているから不思議です。

大掃除のときは、早回し動画が撮影できる「タイムラプス」機能を使うと、どんどんきれいになっていく様子が残せて楽しい。子どもたちは、大喜びしますよ。楽しいことは続くので、ぜひそういった機能も活用してください。

「ステップ2」理想と現実の乖離をチェック

ステップ1で写真を撮ったら、自分の思い描く理想と現実がどれぐらい離れているか、チェックしていきます。そのためにはまず、自分の理想の暮らしを書き出しましょう。すっきりしたリビングで過ごしたい、キッチンでは凝った料理を作りたい、家族でバーベキューがしたい……、家の一カ所、一カ所で何がしたいか書いていきます。

そうすると、ステップ1で撮った写真を見たときに、そのために必要なものがあるか、不要なものはないか。不要なものがあれば、それを取り除けばいいということです。