マイホーム購入の判断基準

マイホームの優先順位や条件は人によって異なりますが、「家が欲しいが将来転居する可能性がある」という人には、「その物件を貸すと住宅ローンの返済額+管理費・修繕積立金を上回る家賃で貸せるか」というのが判断材料の一つとして役立つと思います。

そしてマイホームを買うタイミングはシンプルに「欲しいと思った時」です。

物件探し(検索して問い合わせる、モデルルームや現地を見る、詳細を業者に確認する、融資書類を準備するなど)には相応のエネルギーが必要で、本気度が小さいと途中で面倒になって挫折しやすいからです。

金利の先高感はあるとしても、とりあえずまだ低金利政策ですし、金利が上がれば景気が減速、すると銀行もなかなかお金を貸してくれなくなる可能性もありますから、マイホームを検討している人は時期を逸しないようにしたいところです。

不動産投資家が今、狙っていること

最後に、富裕層や個人投資家は、不動産関連ではいま何を狙っているのか。

私の友人知人関係という少ないサンプル数なのは割り引いていただくとして、富裕層は億ションだろうと関係なく、立地が良ければ買っています。資産価値が下がらないし、売っても損しにくい。が、これは私たちにはなかなかまねできないかもしれません。

では不動産投資家はどうか。都市部狙いの人は息をひそめて静観していますが、攻めている人は競合が少ない地方都市で買い進めています。

さらに、良質な賃貸物件が不足している県内第二、第三の都市を狙っている人もいます。こういう都市では新規にアパートを建てようという人が少ない一方、地元で就職して結婚する若いカップルもいますから、おしゃれなデザインのアパートを建てるとかなり引き合いがあるようです。

ほかには、やはり地方で余っている家をタダ同然で取得し、自分でリフォームして貸し出したり転売したりしている人もいます。

それとインバウンド再開を見越して民泊投資(180日規制がある一般民泊ではなく、旅館業免許を取得してホテルやゲストハウスとして運用する)に戻っている人もいます。

不動産活用と一口に言っても、住居系だけではなく、店舗、オフィス、倉庫、トランクルーム、イベントスペース、コワーキングスペース、時間貸し駐車場、キャンプ場などいろいろありますから、調べてみると面白いものが見つかるかもしれません。

午堂 登紀雄(ごどう・ときお)
米国公認会計士

1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、コンビニエンスストアチェーンを経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。IT・情報通信・流通業などの経営戦略立案および企業変革プロジェクトに従事。本業のかたわら不動産投資を開始、独立後に株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ、株式会社エデュビジョンを設立し、不動産投資コンサルティング事業、ビジネスマッチング事業、教育事業などを手掛ける。現在は起業家、個人投資家、ビジネス書作家、講演家として活動している。著書に『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)、『決定版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(Gakken)、『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』(日本実業出版社)、『お金の才能』『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)など。