ながら学習で子どもを鍛えた

いろいろ記載してきましたが、私自身研究者として勤務の傍ら、3人の子どもをワンオペで育てており、教育における理想(研究)と現実(ワンオペ子育て)にはギャップがあることも日々痛感しています。ただし、いつも「今何が重要か?」を常に考えるように意識しています。例えば、乳幼児期では、上述したように親の「権威的養育態度」が重要であるという考えから「英才教育を与える環境」に高額を投資することよりも、日々、自分がどのように子どもと接し、何を伝えるかの方を重視していました。とくに子どもが未就学児の時に意識していたのは以下4つです。

①絵本は暗唱するまで繰り返し読む

絵本と本は多くの種類のものを常においておき、好きな本から自然と暗唱するまで繰り返し読む

②YouTubeは一切見せない
スマホから目が離せない幼児
写真=iStock.com/Phynart Studio
※写真はイメージです
③数、文字、四則計算を意識して接する

座学は一切行わず、日常の中で、日本語英語両方で、色形に始まり(0歳〜)、数を数える(1歳〜)文字の読み書き(3歳〜)、足し算引き算(4歳〜)、掛け算割り算(5歳〜)を常に意識して子どもと接する

④一緒に調べる

日常の中で見られる「不思議」をいつも問いかけ、一緒に調べる。子どもからの問いかけなどには、なるべく応答的に対応するようにする。

絵本については、読み聞かせた冊数にこだわるお母さんをよく見かけますが、もちろん冊数も意味を持ってくるとは思いますが、それ自体よりも同じ本を繰り返し読むことはかなり重要だと思っています。なぜならこれは、文字を覚えるのにダイレクトにつながります。何回も読んだ本は子どもの記憶力ではあっという間に暗唱できるようになります。そうすると自然と文字をそこから覚えることにもつながりますし、それこそ情景描写の理解や語彙力向上にもつながります。

このような絵本タイムを増やすわが家での最大の要因は、YouTubeやゲームなどの電子媒体を子どもに与えない、ということだったと思います。必然的に、子どもにとっての「娯楽」の選択肢が減るので、自ら絵本を読むことになりました。そしてその習慣は、年齢が上がると読書の習慣につながりました。