売った後に後悔しない、売却時のルール設定とは
そこでお勧めしたいルール設定が、「買ったときの理由がなくなったとき」です。
たとえば、買った理由が「連続増益を続けている(成長を続けている)」であれば、その連続増益がストップしたとき。理由が「黒字が続いている」であれば赤字となったとき、「社長の大ファンだから」であれば社長が引退したときと、その判断は単純明快です。
そして、買ったときの理由は変わることはないはずですから、売却時のルールも、後から変更されることはないはずですね。
また、このルール設定のためには、その銘柄を「買った理由」を、自分なりに明確にしておかないといけません。なので、なんとなく買ってしまった……ということがなく、銘柄選びにおいても、これは大いにプラスになるはずです。
そして私自身、諸々の経験(失敗)を経て、「絶対に売らない銘柄」以外については、今では、この売却時のルール設定をしっかりと貫いております。
ちなみに私の場合、株主優待を目当てに購入するケースが多いので、多くの保有銘柄にて、売却時のルールは「株主優待が廃止(もしくはヒドイ改悪)となった場合」と明確です。
そして実際、優待廃止(改悪)となって、売却した銘柄も少なくありません。
売却した後、中には、優待廃止(改悪)にもかかわらず値上がりした銘柄もありますが、このルール設定にしてから、「それは結果論」と割り切ることができ、後悔することはほとんどなくなりました(強がりではなく)。
もちろん、この売却時のルール設定が「絶対正解」というわけではないですが、これまで売った後に後悔したことのある方は、一つの考え方として参考になれば幸いです。
1977年大阪府大阪狭山市生まれ。大阪市立大学文学部哲学科卒業後、尼崎信用金庫を経て、2001年に藤原ファイナンシャルプランナー事務所開設。現在は、主に資産運用に関する講演・執筆等を精力的にこなす。また、大阪経済法科大学経済学部非常勤講師としてファイナンシャルプランニング講座を担当する。著書に『株、投資信託、FX、仮想通貨… ファイナンシャルプランナーが20年投資を続けてみたらこうなった』(彩図社)など。