絶対に“売らない”のも、アリ?

なので、売ってからの値上がりの怖さを考えると、なかなか売れないものです。実際、「株式は買うより売るほうが難しい」「株式は売って一人前」とも言われているくらいですから。

であれば、最初から「絶対に売らない(一生保有し続ける)」と決めてしまうのも、一つの考え方でしょう。

もちろんその場合には、購入する段階で、トコトン銘柄を吟味しなければいけません。

一生付き合う銘柄を選ぶわけですから、業績や財務内容といった数字も大切ですが、それ以上に、企業理念や経営方針といった目に見えないモノを重視して、20年先、30年先を見据えての選択を心掛けたいところです。そして、超長期で保有するわけですから、配当金や株主優待などの“お楽しみ”があればなお良し、と言えるでしょう。

ちなみに私は、イオンや高島屋、オリックスといった銘柄を、そのような「絶対に売らない」というスタンスで保有しております。

売却時のルール設定は大切なのだが…

とはいえ、「絶対に売らない」銘柄ばかりを購入するのも、現実的ではないでしょう。

そこで、売った後に後悔しない(ウジウジ悩み続けない)ための極意として、「絶対に売らない」銘柄以外については、「売るときのルール」をしっかり決めておくことをお勧めします。

売却時のルールを決めずに、なんとなく……で売ってしまうと、その後値上がりしたときには、ほぼ間違いなく後悔してしまうでしょうから。

なんだ、当たり前のことじゃないか、と思われるかもしれませんが、「売った後に後悔しない」ためのポイントは、そのルール設定にあります。

実際、売却時のルールを決めている人は多いかと思いますが、そのルール設定で多いのが、「株価が○○万円になったとき」や「買値から△△万円、もしくは××%値上がり(値下がり)したとき」など、株価を基準にした設定ではないでしょうか。もちろん、それが絶対ダメとは言いませんが、その場合、株価の値動きを見て、「やっぱり○○万円にしよう」などと、後からそのルールを変更してしまうことも少なくないでしょう。そして、変更したルールで売った場合には、売った後の状況によっては、「やっぱり、ルール変更しなければ良かった」と、売った後で、やはり後悔してしまう可能性もあるわけです。