なぜ私は「タメ口男性」にムカつくのか

私は「『敬語を使ったほうが無難な現場』でどうしてわざわざタメ口を使うのか」は分からないけど、どうして自分が他人のそういう行動にイライラするのかは分かった気がします。

同じタメ口でも、店員さんと年が離れすぎていたり、お祭りとかのラフな場所での、逆に敬語だとなんかヘンみたいな場面で「ちょっとこれでいい? ごめんねー」などの下から入るニュアンスのタメ口は男女共に気にならない気がします。

でも店員がかしこまっているのに、「これどうすんの」と子どもが母親に聞くみたいな口調で中高年が話してるとギョッとする。

「一方的な関係性を強要している感じ」

無意識であっても故意であっても、「ここではこういう言葉遣いで話すものですよね」という漠然とみんなで共有している認識を崩し、一方的な関係性を強要してる感じがするからだと思いました。

タクシー内パワーバランス
イラスト=田房永子

「店員と客」とか「運転手(車のハンドルという命に関わる権限を握っている)と乗客」という力関係が生じているため相手の言動を制しづらい関係性の上で発せられるタメ口は、一時的にでも、その人の提示する世界観に付き合わなければいけない。それによって生じる歪みを、その人以外の人たちで引き受けなきゃいけないんです。「私、タメ口ききますから、お願いしますね」とか事前の公約なしで突然始まるので、それに気づいてしまった者たちだけが不快になる、みたいな感じではないかと思います。

それに、自分が40代となり年をとってきて、存在自体が力関係の強いほうに立っているから、日々他人に失礼がないよう気をつけてるのに、なんで平気でできちゃうんだよというイラ立ちでもあります。やっかみ的な、私の問題ですね。

自分もタメ口には気をつけながら、タメ口を使う中高年にイライラしてしまった時の円満な対処法も考えていきたいです。それに、普通に敬語を使ってくれるタクシー運転手さんへの「良い評価」もバンバンしていきたいと思います。

田房 永子(たぶさ・えいこ)
漫画家

1978年東京都生まれ。2001年第3回アックスマンガ新人賞佳作受賞(青林工藝舎)。母からの過干渉に悩み、その確執と葛藤を描いたコミックエッセイ『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)を2012年に刊行、ベストセラーとなる。ほかの主な著書に『キレる私をやめたい』(竹書房)、『お母さんみたいな母親にはなりたくないのに』(河出書房新社)、『しんどい母から逃げる!!』(小学館)などがある。