マッチョな組織からホワイト職場へ

私自身は超一流の上司ではありませんが、経営する謎解きゲーム会社ではこれに近いことをやってきました。というのも、うちはもともと男性社員が多かったのですが、ある時期から女性社員が増えてきたことで、企業文化や働き方を変える必要性が生じてきました。

そこで私は、何らか職場環境や働き方に関する不満が出るたびに、当事者への質問を繰り返し行い、要因をしつこく掘り下げました。要因がある程度明らかになったところで、複数の代替施策を提案してもらい、その中からベターなものを選んで実行に移してもらうようにしました。

例えば掃除を勤務時間外の自主参加ではなく勤務時間内に一斉参加に変えたことや、集合一括の社内研修から個人申請の社外研修に変えたことなどは、メンバー発の改革の一例です。

今では女性にとって働きやすいホワイトな環境になっており、生産性や業績の向上にも大きく寄与することになりました。また、人材の自律化も進んで、私のマネジメント負担もずいぶんと減りました。

コロナ禍の騒動が落ち着いてきた今になって、上司側の業務量負担やストレスがすごいことになっていると耳にすることがあるのですが、ぜひ今回の記事で取り上げたような回答力(アンサー力)を身に付けて、有事やピンチを自身の成長の力に変えていってもらえればと思います。

岡田 充弘(おかだ・みつひろ)
クロネコキューブ代表取締役

外資系コンサルティング会社を経て謎解き企画会社『クロネコキューブ』を設立。700にもおよぶパソコン時短ワザを集めてマニュアル化している。著書に『爆速パソコン仕事術』(ソシム)『結果もスピードも手に入る 神速スマホ仕事術』(すばる舎)『やりたいことを全部やれる人の仕事術』(PHP研究所)『やめるだけで成果が上がる仕事のムダとり図鑑』(かんき出版)『ビジネスマナーと仕事の基本 ゆる図鑑』(監修)(宝島社)ほか。