ミドル世代こそ素直さや謙虚さを

若手に素直さや謙虚さを求めているミドル世代は多いものですが、実は中途採用の面接では、35歳を超えたミドル世代こそ初心にかえって養ってほしいマインドでもあります。

日頃から、なんでも自分に原因を求めてばかりいると疲弊しますから、時には自分の心を守るために他責にすることも大切かもしれません。しかし、転職活動という、自分を採用してもらうためのプレゼンテーションの場では「どれだけ自身の置かれた状況を客観的に捉えて内省し、自分の成長につなげられるか」が問われます。「自分は違う」と思っている人も、念のため「他責になっていないか」自問自答してみることをお勧めします。

「ウチでは力を生かしきれない」オーバースペック

「オーバースペック」という理由で不採用になる人もたくさんいます。端的に言うと「優秀すぎて、こんな簡単な仕事を与えたらつまらないのではないか」「ウチではせっかくの能力を生かしきれない」と判断されるケースです。

例えば、有名私立大卒の、ある大手メーカーで働く38歳の女性。現在は法人営業を担当していますが、マーケティングや事業企画、マネジメントの経験もあり、実績も申し分ありません。ただ、今の仕事は残業や出張が多く、通勤にも時間がかかるため、体調やワークライフバランスを考えて、居住地に近い中小企業に応募しました。

しかし、相手先の企業は「これだけのハイスペックな人材がなぜウチに?」「誰がこの人をマネジメントするの?」と困惑。一般的には、優秀な社員を採用することは会社にとってメリットですが、実際は、自分たちよりも優秀な社員を採用することで、社内の問題点を指摘されることを面倒に感じたり、自身の立場が揺らぐのではないかと考えたりと、何かしら別の理由を挙げて採用を見送ることがあります。

残念ながら、こうした愚かなジャッジをする採用担当者がいるのは事実。このような会社に入社しても、自分の能力を発揮して正当な評価を受けることはできないので、不採用になったことを悲観する必要はまったくありません。