年を重ねたからこそできる仕事がある
入居者さんとは同世代ですので、気持ちも理解できるし、会話ができなくても打ち解けられることもあります。
看護をするときに、相手の気持ちを考えて話しかけたり、話を聞いたりすることを心がけています。それは、年を重ねたからこそできる、私の仕事なのかなと思います。
胃ろうの人たちは話すこともできないし、意思表示もあまりないですね。いつも、「ご本人たちはどういうふうに思っているんだろう」と、考えながらしています。
話をすることはできなくても、その人の部屋に入ったら、「おはよう、○○さん」と顔を見ながら声をかけます。「ああ〜」と言うだけの人もいますが、顔はこちらを向けてくれます。
手を握って冷たいときは、「お布団の中に入れとき。あったかいで」と話しかけることも。
唇が乾燥しがちな人にクリームを塗ってあげると、気持ちがよかったのか訪問のたびに口をあけて待っているように。
話はできなくても、コミュニケーションはとれているのかなと思います。
足手まといになったら退く覚悟で
いちしの里で働き始めた頃は、80代。まだまだ元気でフルタイムで働けました。でも、80代と90代は違います。やっぱり体がえらい。
仕事ばかりの仕事人間ですが、本当は「もうそろそろ辞めなきゃあかんかな」と、ずっと思っているんです。仕事をする限りはきちんとやりたいので、足手まといになったら、辞める覚悟でいます。
社長さんにも「年寄り扱いするなら辞めます」と伝えているから、きちんと働けなくなったら退かなきゃいけない。
勤務を始めて2〜3時間なら、まだ元気があるけれど、4〜5時間すると、えらくなってきます。看護師は、半日は職場にいないと仕事になりません。半日勤務ができなくなったら、辞めるときだなと思います。