なぜ100万円を失うことになったのか

ただ、少額の証拠金で取引可能なFXは、ついつい取引額が大きくなりがちで、大きなリスクを抱えてしまいがちなのです。いま振り返れば、私もそうでした。仮に1リラ=50円が49円になれば1円の為替差損ですが、これが5万リラの取引だと、5万円もの損失です。

FX会社に預けた証拠金が少額の場合は、証拠金が吹っ飛び、それ以上の損失にもなりかねません。

ですからFXには、「ロスカット」と呼ばれる仕組みがあります。損失が膨らみ、証拠金額が一定水準まで減ると強制決済されるのです。ロスカットになるとゲームオーバー、夢の利息生活は潰えてしまいます。

簡単にはロスカットとならないようにと、最低10~20万円程度の証拠金があれば取引できるところを、ゆうに100万円を超える証拠金を入れていたのでした。これは利息生活を夢見て、ゆくゆくはリラの買い増しも視野に入れての戦略でもありました。

この戦略によって、「資金効率の良さ」というFXの利点は多少薄まってはしまいますが、そうやって、リラが買値の半分くらいになってもなんとか耐えられるように(ロスカットにならないように)、十分な備えはしていた……つもりでした。

疲れた過負荷ミレニアル世代のビジネスウーマン
写真=iStock.com/fizkes
※写真はイメージです

アメリカの経済制裁で「2018年トルコショック」発生

さて、前述のように1リラ=40~50円程度のタイミングで投資したわけですが、やはりシリア侵攻といった地政学リスクが嫌気され、じりじり下落を続けました。数万円単位で資産が溶けていく日々もあり、かなりしんどい状態でもありましたが、それでも日々発生する利息を心の糧に、じっと我慢を続けました。

というより、途中からはリラの値動きにすっかり目を背けていたことを、ここに告白します。そんなわけで、当初はリラの買い増しも考えていたものの、何もできていない状態だったのです。

そうやってリラの下落に目を背けていた中、2018年夏、アメリカによるトルコへの強烈な経済制裁をきっかけにリラはさらに急落し、想定外の1リラ=20円を割り込みます(図表1参照)。FXの世界では、「2018年トルコショック」と言われた出来事です。ここで私はロスカットとなり、証拠金のほとんどを失うことになりました。

トルコリラ/円の価格推移
出典=Trading View