やはりポイント制は必要悪として残すべきなのか?
そこへ行くと、ポイント制は、どっしりとして安定感があり、そしてじわりじわりと確実に人をPTAに運び込んでくれる。「ポイント」と聞いただけで、体内、脳内の何かがゾワゾワと動き出し、「やらないといけない……の? ……無理っぽいけどみんなやるの? ……マジ時間ないし……。でも12ポイントなんでしょ? え? 義務? 何?」となり、「役員とかマジ無理。でも夏休みのラジオ体操係とかなら、年に4回だし」となって、負担が軽そうな割にポイント率が高い印象の活動が、15人ジャンケンとかになるのだ。
ということは、結局、「やりたくないけど、やらないとなんか雰囲気的にマズそうだし、ちょっとだけ(本当にちょっとだけ)、まったくなぁーんもやらないのは悪い気もするし……」という感じを前提にすれば、この制度は必要悪なのかもしれない……とまた堂々巡りとなる。
だから、この話は一般論では完結しないのだ。
PTA活動に生きがいを見いだす専業主婦のママたち
そして、今言えることは、「あたし、ポイント制がなかったらオカケンさんと知り合ってもいないし、絶対PTAなんてやってないし、学校のことももっと全然知らなくて、自分がやったことで人が喜んでくれるなんて、そういうこと毎日の暮らしではとくにないし、だから、あたしが2年も続けて役員を自分からやろうなんて気持ちになったのも、ポイント制のおかげですよぉ」という、副会長の森さんの涙が出るような言葉を抱きしめたくなる。
しかし、ちょっと引っかかるものが残った。
「自分がやったことで人が喜んでくれるなんて、そういうこと毎日の暮らしではとくにないし」……。これは何だ?
僕は、いつも笑顔でちょこまかといろいろと心配をしてくれて、「じゃ、それ朝イチPTA室でコピーして、入学セットに加えておきます!」なんて、とっても面倒臭いことをやってくれる森さんに、会った時には必ず目を見て「あれはありがとう。助ったよ」と言うし、みんなの手の届かないことをしてくれたら、それは役員みんなに伝えている。
でも、あなたは、そして多くのママたちは言うのだ。
頑張ったことを人から感謝されるなんて普段ないから、と。
何でだよ? みんなあんなに喜んでるじゃないか⁉
そんな時、別の近所のママの話がツレアイから伝わってきた。
「ポイントってね、『自分が頑張った印』なんだよ。ミミちゃんママがそう言ってたよ」
え? ママたちよ。あなたたちはどうしていつも、僕が疑う必要もないとしている前提を揺さぶってくるのか?