人生100年時代における「老後資金」の考え方

必要な老後資金の考え方について、以前に「2000万円問題」が話題となりましたが、これは総務省の家計調査において高齢無職世帯の年金収入と支出に毎月5万円ほどの差があり、この差が30~35年を補うために2000万円が必要という話です。

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「人生100年時代」と言われ、男性の平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳(2020年時点)で、100歳を超える高齢者は、国内で8万人を超えています。この人数は51年連続で過去最多を更新しています。

こうした話を聞くと、特別に「老後のため」の資金をつくらなければと思ってしまう人もいるかもしれません。

しかし、サイドFIREを行う場合の考え方としては、生活費を年間で300万円(月で25万円)と決めて、老後も同じ額で生活することを前提にすると、勤労収入で稼いでいた額が年金収入でまかなえるのであれば、「老後資金」として無理に用意する必要はありません。

資産は稼ぎ続けてくれる

つまり、考えることは、年金をもらう前に稼いでいた勤労収入の額と、同等かそれ以上の年金が世帯でもらえるのか、という点のみです。老後の人生は長いのですが、生きている限り年金は支給され、同様に資産も“働き”続けて、収入を生み出してくれます。

ただし、豊かな老後を送るということに関しては十分ではないと考えれば、原則60歳以上から引き出せるようになるiDeCo(個人型確定拠出年金)や、つみたてNISAの活用も選択肢に入れておくとよいでしょう。

頼藤 太希(よりふじ・たいき)
マネーコンサルタント

Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』(宝島社)など書籍100冊、著書累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(@yorifujitaiki)