※本稿は、アンデシュ・ハンセン『最強脳 「スマホ脳」ハンセン先生の特別授業』(新潮新書)の一部を再編集したものです。
いつもきげんが良い人と悪い人
『白雪姫と七人のこびと』にハッピー(ごきげん)とグランピー(おこりんぼ)という名前のこびとが出てきますが、私たちの周りにもいつもごきげんな人もいれば怒りっぽい人もいます。こびとのハッピーのようにいつでもニコニコして人生を楽しんでいるように見える人もいますし、グランピーみたいな人も確かにいます。起きてすぐに重いため息をつき、夜寝る時まで頭上にずっしり重い雨雲がかかっているような人です。
ハッピーならサンドイッチを落としても、ほこりだけはらって口笛を吹きながらごきげんに食べてしまうでしょう(食べながら口笛を吹けるかどうかは別として)。しかしグランピーがサンドイッチを落としたりしようものなら、1日が台無しになってしまいます。
世の中には他にも、「ガミガミ屋」「ごきげん斜め」「冗談好き」「不きげん」「怖がり」「笑い上戸」など、色々な人がいます。他の人たちからそんな風に呼ばれるということは、名は体を表しているわけです。何も起きていない時のきげんや、何かが起きた時の反応も簡単に想像がつきます。
ではそういう人たちがいつでも「ごきげん」だったり「おこりんぼ」だったりするかと言うと、そういうわけではありません。グランピーにしても朝から晩まで怒っているわけではないでしょう。私たちはみな両方の性格を持ち合わせていて、それ以外にも様々な性格を持っています。そのバランスが人それぞれ違いますし、どういう組み合わせなのかも違ってきます。
出来事に影響されることももちろんあります。かわいがっていたペットが死んだら悲しくなりますし、大好きな人、例えばおじいちゃんに会えたらうれしくなります。それは「性格」とは別の「感情」です。だからグランピーがごきげんな時もあるし、ハッピーが泣くこともあるのです。