米国株はバブルに足を踏み入れている

「長期・分散・積立」でも、金融相場の影響をゼロにすることはできません。ほったらかし投資を実践する場合も大きな相場の流れを把握しておく必要があります。

そして、近い将来の相場の流れを見通すと、資産を大きく増やすチャンスが待っている可能性が高いと考えています。米国株式がバブルになる兆候があるからです。

株式投資でリターンを狙うなら、経済成長の期待できる国や地域を投資対象とするのがセオリーです。日本や欧州は法的、政治的面で安定しているのはメリットですが、成長力が高いとは言えません。先進国で高い経済成長ができるのは米国くらいではないでしょうか。

一方で新興国は高い経済成長が期待できます。とくに中国やインドは有望だと考えています。ただ、中国は突然の規制導入がショックとなり投資家が安心して投資できる状態ではなくなりました。

また、今後、米国が金利を引き上げると、ドル高になる可能性が高くなります。過去の数十年の歴史からすると、ドル高の局面では新興国の株価はパフォーマンスが悪くなります。

そう考えると、投資家にとって魅力的な市場は米国のみの状況になりつつあるのです。すでにS&P500のPERは過去平均よりも高い水準となり、バブルに一歩、足を踏み入れた状況になっています。

フィンテックの概念
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これから投資しても資産を大きく増やせる可能性がある

2021年6月末の米国株の予想PER(株価収益率)は21.3倍でした。1988年以降で予想PERが21倍を超えたときに投資をすると、そこから5年後のトータルリターンは芳しくありません。

ただ、すぐにバブルがはじける状況とは思っていません。もうしばらくは株価の上昇が続き、その間に投資をしていれば資産を大きく増やすチャンスがあるでしょう。

1970年代のニフティ・フィフティ相場のときは対象銘柄のPERが40倍程度まで上がりましたし、2000年のITバブルの際には、S&P500のPERが45倍程度まで上がりました。それを基準にすると、まだ上昇余地があります。また、テーパリングが始まっても、金融緩和が続いている間は株価が上がり続けると考えます。