また、ハッピー管理職の人が「もっとも幸せを感じる(Q12)」のが「家族と過ごす」時間であるのに対し、アンハッピー管理職の人が「1人のとき」と答えているのを見ると、毎日、目の前に山積みされたタスクをこなすことに精いっぱいになっている姿が見えてくる。1時間かけて会社にたどり着いた途端、マネジメント業務に追われ、自分の仕事はなかなか進められず残業に……。ときには、仕事の持ち帰りをすることも。帰宅するとすぐに夕飯づくりに部屋の片づけ。ゆったりできるのは風呂の中。睡眠時間もそこそこに、朝が来て、また1日が始まる……。

仕事に関しては、企業風土などもかかわってくるため、一概に判断できないが、アンハッピー管理職の幸福度が低い最大の要因は、「自己メンテナンスする時間」が充実していないためではないだろうか。業務に不安があっても、スキルアップに割く時間はなく、WLBを考える以前に、仕事と家事・育児で1日が終わるという現実。反対に、ハッピー管理職がハッピーたるゆえんは、仕事にやりがいを感じ、プライベートではスキルアップする時間も心身をメンテナンスする時間も確保できていることだと考えられる。女性管理職はWLBを取ることが難しいといわれるが、アンケート結果から「家事が大変=プライベートがない=幸福度が低い」という構図は見えてこない。

管理職の総資産は1000万〜5000万が最多。多いほど安心ではあるが、資産額で幸福度に差がでるものでもなさそうだ。

アンケート結果 Q13
アンケート結果 Q14

幸せの源泉は、誰かと過ごす時間と仕事

ハッピー管理職に必要なことは、「ムダのない業務管理」を行い、自分の時間をコントロールし、「心身をメンテナンスする時間を充実させること」だと判明。仕事が忙しくてもやりがいがあれば、幸福度は高いし、家事の負担が幸福度を下げているわけではないこともわかった。仕事においては役職、プライベートではライフステージ、その時々で負担の大小は変わる。

しかし、どんな状況においても、自分を解放できる場があれば、ハッピー管理職になれるということなのだ。それには家族やパートナーの存在も重要に。家事や育児は、女性に大きな負担としてのしかかるが、それは決して幸福度を下げる要因ではない。コロナ禍となり、人と人との結びつきが見直され始めた今、本当に大切なものに皆が気付き始めた。幸せの源泉は、誰かと過ごす時間と仕事。その両方がそろうことで管理職生活がハッピーなものになるといえそう。

ハッピー管理職2021の4つの法則