Q3. 不動産会社と賢く付き合うには?
【日下部】不動産会社には物件情報を優先的に案内する順番があります。それは「営業担当の顧客→会員→広告」です。優良物件は広告に出す前に営業担当の見込み客と会員だけに情報を流し、完売することも。
【小林】マイホーム購入は情報が命!
【日下部】住宅情報誌やネット検索だけでは掘り出し物件には出合えません。狭い地域限定の不動産会社もあるので、駅前のお店を訪ねるのはもちろん、地域の折り込みチラシにもアンテナを張っておくと思わぬ情報があるものです。
【小林】どうすればよい担当者と出会えるのでしょうか?
【日下部】まずはお店の窓口や見学会、モデルルームのアンケートで購入意欲をアピールし、複数の担当者と交流することで、納得がいくまで付き合ってくれそうな人を見極めましょう。最初に希望条件、頭金などを営業担当に伝えたほうがよく、希望に対して妥協しない態度がよいです。逆に条件があやふやで、のらりくらりと返事をはぐらかすような人によい情報は回ってきません。
【小林】逆によくない担当者を見極めるには?
【日下部】質問にあいまいに答える営業担当はダメ。「ほかにも欲しいお客さまがいる」は成約を急がせる決まり文句だと思いましょう。
【小林】お金の面からは、頭金を多く入れるつもりでも担当者には少なめに伝えたほうが購入段階で値切れる可能性があります。頭金が多いと、高額物件ばかりを紹介されてしまうので要注意です。
【日下部】営業担当の有望顧客になり、よい物件と出合いましょう。
コロナ禍の住宅取得をバックアップ。住宅ローン減税は13年間に再延長
住宅ローン減税は家を買うための国のお助け制度です。「年末時点の住宅ローン残高の1%の金額と同額の税金を10年間にわたって払わなくて済む」のが基本で、上限は年40万円(長期優良住宅なら50万円)の税額控除となります。現在はコロナ禍における住宅取得を支援するため、13年間に期限が延長されました。
住宅ローン減税を利用するには、50平方メートル以上、10年以上かけてローンを返す、住宅取得から6カ月以内に居住するなどいくつか条件があるので物件探しの際に注意してください。
構成=坂本君子
第1回マンション管理士試験に合格。新築などマンショントレンドのほか、数多くの実務経験、調査から既存マンションの実態に精通する。著書に『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)、『60歳からのマンション学』(講談社+α新書)など多数。
国税局の国税専門官、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所に勤務。2017年、金融関係のフリーライターに転身。著書に『すみません、金利ってなんですか?』(サンマーク出版)、『あんな経費まで! 領収書のズルい落とし方がわかる本』(宝島社)などがある。