「足を踏んでいる側」は何をすべきなのか
男女平等問題では、男性は女性の足を踏んでいる側にいます。踏まれている側、つまり差別されている側や不平等をこうむっている側が声をあげるのは当然のことですし、その主張や行動には共感する人もたくさんいるでしょう。
では、踏んでいる側はどう行動すべきなのか。たとえば、僕は去年の国際男性デーに、男性に向けて「男性問題を考えましょう」とツイートしました。男性という性別が自分に与える影響について考えてみれば、女性という性別が女性に与える影響も想像できるようになるのではと伝えたかったのです。
たくさんのコメントをもらいましたが、中には「男性は男性のことだけ考えていればいい」というものもありました。足を踏んでいる側が踏まれている側のことなど想像できるのかという疑問があるのだと思います。
男女平等を実現すべきだと思っていても、実際問題として踏んでいる立場の自分は何をすればいいのか。僕と同じように悩んでいる男性は意外と多いようで、SNSでは「男女平等には賛成だが、男である自分は一体どうすれば……」という声をよく見かけます。
新しいプリンス像を考える
ここで、話を「これからのプリンス像」に戻してみましょう。昔は、女性をリードしてプリンセスの地位に引き上げるプリンス像がよく描かれていました。こうすれば、確かに女性の地位は上がります。企業でも、偉い立場にある男性が女性を管理職や役員などにどんどん任命していけば、数字上では女性活躍が進むでしょう。
しかし、それでは男女平等が達成されているとは言えません。上位にいる男性が下位の女性を引き上げる、男性優位の構図は変わっていないからです。この構図を変えるには、自立したプリンセス像の対となる新しいプリンス像が必要です。
新しいプリンス像とは、女性をリードするような過剰な男らしさを自制する男性なのか。あるいは、男女不平等で申し訳ないと謝罪や自己反省をする男性なのか。でも、男女不平等を変えるには社会全体を相手にする必要がありますから、目の前にいる女性に謝っただけでは解決するはずもありません。