時代はインスタ映えから動画映えへ
さらにコロナ禍では、5Gの開始とも相まって若者の注目対象が写真から動画へと大きく変わりました。時代はインスタ映えから動画映えへ。今後は、動画映えする行動につながる商品やサービスが、Z世代の人気を集めていくのではないかと思います。
友情確認ニーズを基にしたトレンドではもうひとつ、友達と一緒に何かを「創る」体験もブームになりつつあります。渋谷や代官山にある、ワインを楽しみながら絵画レッスンを受けられる店「Artbar Tokyo」はその代表格。
観光地で、友達との思い出づくりとして陶芸体験などをする人は多いと思いますが、遠方への旅行ができないコロナ禍では、身近でそうした非日常体験ができる場所が若者の注目を集めました。
「Artbar Tokyo」へは僕も実際に行ってみましたが、たくさんの若者が楽しそうに、友達と写真や動画を撮り合ったりしながらレッスンを受けていました。SNSでは、ここで描き上げた絵も撮影した写真や動画もよく見かけます。
同じく「創る」体験では、チョーヤ梅酒が展開する梅体験専門店「蝶矢」も若者に人気です。梅を使って自分でシロップや梅酒などをつくれるもので、これもサービス内容が若者の友情確認ニーズと合致した結果であると読み取れます。
「パリピごっこ」に必須の商品
2つめのトレンドは、外出自粛で退屈な時間が増えたことを背景に生まれた「憧れチャレンジ」です。お酒を飲んでハメを外すことの少ないZ世代ですが、パリピ(パーティー・ピープル=パーティー好きな人々)の「人生を楽しんでいる感」に憧れを感じている若者は少なくありません。
ただし、周囲の目に敏感なのもZ世代の特徴。本当にパーティー騒ぎをして無茶飲みしては下品だと思われてしまうという考え方から、自分たちがしているのはあくまでもパリピへの「チャレンジ」であり、「ごっこ」なのだとアピールしたがる傾向があります。
ここから流行ったのが、飲みながら皆でゲームをして盛り上がる様子を投稿する「パリピごっこ」。このニーズにぴったりハマってヒットした商品が、すごろくとドイツのお酒クライナーファイグリングを組み合わせたパーティーゲームセット「ウェイウェイらんど!」です。
このセットは、宅飲みや民泊先でも盛り上がりたい、パリピごっこを楽しみたいという若者の心をつかみ、大学生を中心に爆発的に売れました。これを基にしたアプリも、飲み会ゲームとして大ブレークしています。
また、若者の間では依然として圧倒的な韓国ブームが続いており、TikTokでは、韓国のお酒チャミスルをグラスタワーに注ぐ動画が「チャミスルチャレンジ」としてバズりました。